最近、家づくり相談でかなり増えているのが、窓の標準仕様に関する不安です。
「断熱等級は高いと言われたのに、窓の仕様を見たらよくわからない」
「樹脂サッシに変えたいと言ったら、契約後に大きな追加費用が出た」
こういう相談、実際にけっこうあります。
悩んでいる人「標準仕様の窓って、そのままで大丈夫?」
「お風呂やトイレの窓は、つけた方が換気できる?」
「アルミ樹脂複合サッシと樹脂サッシって、何が違うの?」



窓は、あとから簡単に変えにくい部分です。
キッチンやトイレの設備なら将来交換できますが、窓は外壁・防水・断熱・内装まで絡むので、入居後に「やっぱり変えたい」と思ってもかなり大変です。
この記事では、建築士で元ハウスメーカー社員の筆者ぽりんきが、新築で後悔しやすい窓ワースト5を解説します。
ただし、窓そのものを否定したいわけではありません。
大事なのは、「何となく標準だから」「営業担当に大丈夫と言われたから」で決めず、自分たちの家に本当に必要な窓かを見極めることです。
- 新築で後悔しやすい窓ワースト5
- お風呂・トイレの窓で後悔しやすい理由
- アルミスペーサーと樹脂スペーサーの違い
- 引き違い窓・天窓の注意点
- アルミ樹脂複合サッシと樹脂サッシの考え方
- 契約前に確認したい窓仕様チェックリスト
「コストを抑えつつ、毎日の生活にゆとりを持たせたい」という方は、ぜひハウスメーカー選びの参考にしてくださいね。


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窓選びは「標準仕様のまま」が一番危ない
家づくりでは、窓は意外と後回しにされがちです。
間取り、キッチン、外壁、床材、照明は一生懸命見るのに、見積書に書かれた窓の商品名までは確認していない方も多いです。
でも、建築士目線で見ると、ここがかなり危ない。
- サッシの商品名がわからない
- ガラスがペアかトリプルかだけで判断している
- スペーサーの素材を確認していない
- 浴室・トイレの窓を何となく入れている
- 引き違い窓が家中に多い
- 天窓の防水メンテナンスを考えていない
窓は、外の暑さ・寒さ・音・視線・雨を受け止める部分です。
さらに、壁よりも熱が出入りしやすい場所でもあります。
国土交通省の省エネ関連資料でも、住宅の断熱化では窓などの開口部の断熱性能を高めることが有効とされています。



営業担当から「今の家は性能がいいので大丈夫です」と言われても、窓の商品名・ガラス・スペーサー・方角まで見ないと判断できません。
“窓が良い家”と“断熱材だけ良い家”は、住み心地がまったく変わります。
新築で選んではいけない窓ワースト5
ここからは、新築で慎重に考えたい窓をワースト5形式で紹介します。
今回は、台本の流れに合わせて5位から1位へ進めます。
先に全体像をまとめると、次のとおりです。
| 順位 | 窓・部材 | 後悔しやすい理由 | 代替案・確認ポイント |
| 5位 | お風呂・トイレの窓 | 掃除・防犯・断熱の弱点になりやすい | 換気扇中心で考える |
|---|---|---|---|
| 4位 | アルミスペーサー | ガラス端部が冷えやすく結露しやすい | 樹脂スペーサーを確認 |
| 3位 | 引き違い窓 | 気密・音・掃除で不利になりやすい | 必要な場所だけ採用 |
| 2位 | 天窓・トップライト | 雨漏り・暑さ・メンテナンスのリスク | 高窓や吹き抜け窓を検討 |
| 1位 | 一般的なアルミ樹脂複合サッシ | 枠の結露リスクを見落としやすい | 樹脂サッシや高性能商品を比較 |



誤解してほしくないのは、「全部ダメ」と言いたいわけではないことです。
窓は土地・方角・外観・予算で正解が変わります。ただ、何も知らずに標準仕様のまま進むと後悔しやすいので、注意点を先に知っておきましょう。
5位|お風呂・トイレの窓は「換気のため」が思い込みになりやすい
第5位は、お風呂・トイレの窓です。
昔の家づくりでは、お風呂やトイレに窓があるのは当たり前でした。
「換気のために必要」
「明るい方が気持ちいい」
この感覚はよくわかります。
ただ、今の新築で本当に必要かは、冷静に考えた方がいいです。
お風呂・トイレの窓で後悔しやすい理由
- 窓枠やレールにカビが出やすい
- 冬に冷気が下りてきやすい
- 浴室の掃除箇所が増える
- 外からの視線が気になりやすい
- 死角になる位置だと防犯面で不安が残る
特にお風呂は、家の中でも湿気が多い場所です。
窓をつけると、窓枠・ゴムパッキン・レール・網戸という掃除ポイントが増えます。
毎日しっかり乾かせる家庭なら良いですが、仕事や育児で忙しいと、どうしても後回しになりやすいです。



浴室の窓は「つけたら換気できる」ではなく、「つけたら掃除する場所が増える」と考えた方が現実に近いです。
借景がある、坪庭が見える、どうしても自然光を入れたいなど明確な理由がないなら、窓なしもかなり有力です。
換気は窓より換気扇で考える
浴室の湿気対策は、窓を開けるより換気扇を計画的に使う方が安定しやすいです。
外が雨の日や湿度が高い日には、窓を開けても湿気が抜けにくいことがあります。
また、夜に窓を開けっぱなしにするのは防犯上も不安です。
- 窓なしでも換気計画が成立するか
- 窓を開けなくても乾きやすい浴室か
- 外からの視線を遮れるか
- 窓枠やレールを掃除し続けられるか
- 防犯ガラス・面格子・位置の計画ができているか
浴室やトイレの窓は、当たり前で入れるものではありません。
必要な理由があるなら採用。
理由が「何となく不安だから」だけなら、一度なくす前提で考えてみてください。
4位|アルミスペーサーはガラス端部の結露リスクを見落としやすい
第4位は、アルミスペーサーです。
これは窓の種類というより、ガラスとガラスの間に入る部材の話です。
ペアガラスやトリプルガラスでは、ガラスの間に空気層やガス層があります。
その間隔を保つ部材がスペーサーです。
- 複層ガラスのガラス同士の間隔を保つ部材
- ガラスの端部に入っている
- アルミ製と樹脂製などがある
- 断熱性能や結露のしやすさに影響する
多くの人は、窓を選ぶときに「ペアガラスか」「トリプルガラスか」ばかり見ます。
もちろんガラスの枚数も大事です。
でも、スペーサーがアルミだと、ガラス端部が冷えやすくなります。
冬に窓ガラスの端だけ結露している場合、スペーサーの影響を受けているケースがあります。
トリプルガラスでもスペーサー確認は必要
トリプルガラスにすると、ガラスが3枚になります。
そのぶんスペーサー部分も増えるため、部材の差が見えにくいところで効いてきます。
高いお金を出してトリプルガラスにしたのに、端部の結露が気になる。
これでは、かなりもったいないです。



契約前に聞く言葉はシンプルです。
「スペーサーは樹脂ですか?」これだけで、窓に詳しい担当者かどうかも見えやすいです。即答できない場合は、商品名と仕様書で確認してもらいましょう。
契約前に確認したい窓ガラスまわり
- ガラスはペアかトリプルか
- Low-Eガラスか
- アルゴンガス入りか
- スペーサーは樹脂か
- サッシの商品名は何か
- 方角ごとにガラス仕様を変える必要があるか
窓は「高性能っぽい言葉」だけでは判断できません。
必ず商品名と仕様で確認してください。
3位|引き違い窓は気密・音・掃除で不利になりやすい
第3位は、引き違い窓です。
左右にスライドして開ける、日本の家でよく見る窓ですね。
リビングの掃き出し窓や和室の窓でよく使われます。
この窓が全部悪いわけではありません。
庭に出る、ウッドデッキに出る、大きな荷物を搬入するなど、引き違い窓が向いている場所もあります。
ただし、家中どこでも引き違い窓にするのはおすすめしません。
引き違い窓の注意点
- レール部分にすき間ができやすい
- 外の音が入りやすい場合がある
- レールに砂ぼこりや虫がたまりやすい
- 開閉部分が多く、掃除箇所が増える
- 道路沿いや隣家が近い土地では音・視線に注意
気密を重視するなら、FIX窓やすべり出し窓の方が有利な場面があります。
FIX窓は開きませんが、明かりを取るだけならかなり優秀です。
縦すべり窓・横すべり窓は、風を取り込みたい場所で使いやすいです。
窓の役割を分けて考える
窓には、主に3つの役割があります。
- 光を入れる窓
開ける必要がないならFIX窓も候補 - 風を通す窓
縦すべり窓や横すべり窓を検討 - 出入りする窓
庭やデッキへ出る場所だけ引き違い窓を検討
ここを分けずに「とりあえず引き違い」にすると、窓の数だけ弱点が増えます。
特に、寝室や道路側の部屋は音の入り方も確認してください。



引き違い窓は便利です。
でも便利だからこそ、使いどころを絞るのが大事です。光だけ欲しい場所まで引き違いにすると、掃除も気密も余計に難しくなります。
2位|天窓・トップライトは雨漏りと暑さのリスクを理解してから
第2位は、天窓・トップライトです。
天井から光が入る家は、たしかにかっこいいです。
暗くなりがちな場所でも、上から光を落とせるので魅力があります。
ただ、建築士目線ではかなり慎重に考えたい窓です。
天窓で後悔しやすい理由
- 雨漏りリスクをできるだけ減らしたい人
- 将来のメンテナンス費を抑えたい人
- 夏の暑さが苦手な人
- 屋根まわりの点検をこまめにできない人
- 明るさだけを理由に採用しようとしている人
屋根は、家を雨から守る大事な部分です。
そこに窓をつける以上、防水の納まりと将来のメンテナンスは避けて通れません。
また、天窓の向きや日射の入り方によっては、夏にかなり暑くなることがあります。
「明るい家にしたい」だけなら、他の方法もあります。
天窓以外で明るさを取る方法
- 高窓・ハイサイドライトを使う
- 吹き抜けまわりに窓を取る
- 階段や廊下に光を落とす計画にする
- 南面だけでなく、視線が抜ける方向を探す
- 室内窓や建具で光を回す
天窓は、どうしても必要な理由があるなら採用してもいいです。
ただし、「おしゃれだから」「暗そうだから」という理由だけなら、一度ほかの方法も検討してください。



天窓は、完成直後の写真だけ見るとすごく魅力的です。
でも家づくりでは、10年後・20年後の防水や暑さまで見た方がいいです。写真映えだけで決めると、住んでから苦労することがあります。
1位|一般的なアルミ樹脂複合サッシは「高性能っぽい言葉」に注意
第1位は、一般的なアルミ樹脂複合サッシです。
ここは少し丁寧に説明します。
アルミ樹脂複合サッシとは、外側にアルミ、内側に樹脂を使うタイプのサッシです。
アルミの強さと樹脂の断熱性を組み合わせる考え方ですね。
これ自体が全部ダメという話ではありません。
ただ、営業トークで「今はアルミ樹脂でも高性能です」とまとめられると、商品ごとの差が見えにくくなります。
基本は樹脂サッシを軸に考える
断熱・結露対策を重視するなら、基本は樹脂サッシを軸に考えるのが安全です。
たとえばYKK APのAPWシリーズは、樹脂窓として広く使われています。
YKK APの公式ページでも、APW430は高性能トリプルガラス樹脂窓として紹介されています。
断熱性能をかなり重視する地域や、断熱等級7を目指すような家では、こうした高性能な樹脂窓を候補に入れたいです。



窓で迷ったら、まずは「樹脂サッシを標準にできるか」を聞いてください。
ここで前向きに説明してくれる会社は、断熱や結露への理解がある可能性が高いです。
ただしLIXIL TWのように例外もある
一方で、アルミ樹脂複合サッシの中にも、性能とデザインのバランスが良い商品はあります。
代表例がLIXILの高性能窓TWです。
LIXIL公式ページでは、高性能窓TWについて、大開口でも暖かさを目指す高性能窓として紹介されています。
TWはフレームをすっきり見せやすく、デザイン面でも魅力があります。
大きな窓をきれいに見せたい場合、樹脂サッシだけでなくTWのような選択肢を比較する価値はあります。
ただし、ここで大事なのは「TWだから検討できる」という話であって、「アルミ樹脂複合サッシなら何でも同じ」という話ではありません。
- 断熱最優先なら樹脂サッシを軸に考える
- 寒冷地や高断熱住宅ではトリプルガラス樹脂窓も候補
- デザインと性能のバランスならLIXIL TWなども比較
- 商品名が不明な複合サッシは慎重に確認
- 「アルミ樹脂だから大丈夫」で終わらせない
見積書で必ず商品名を見る
一番危ないのは、見積書に「アルミ樹脂複合サッシ」とだけ書かれていて、商品名がわからない状態です。
同じ複合サッシでも、商品によって性能・見た目・価格が変わります。
契約前に、必ず次を確認してください。
- サッシの商品名
- メーカー名
- ペアガラスかトリプルガラスか
- Low-Eガラスの種類
- スペーサーの素材
- 窓全体の熱貫流率の目安
- 方角ごとの窓サイズ
- オプション変更した場合の差額
ここまで確認できれば、「標準仕様だから大丈夫」という曖昧な判断から抜け出せます。



最近の相談でも、「契約後に樹脂サッシへ変えたいと言ったら、想像以上に差額が出た」というケースがあります。
窓は契約後に変えるほど比較しづらくなるので、契約前に方向性だけでも固めておきましょう。
窓選びで後悔しないための契約前チェックリスト
ここまで読むと、窓選びが少し難しく感じるかもしれません。
でも、見るポイントはそこまで多くありません。
契約前に次の項目を確認しておくだけで、かなり失敗を減らせます。
- 窓の商品名を確認する
メーカー名だけでなく、APW330・APW430・TWなど具体名まで見る - ガラス仕様を確認する
ペア・トリプル・Low-E・ガス入りかを確認する - スペーサー素材を確認する
樹脂スペーサーかアルミスペーサーか聞く - 窓の役割を分ける
光・風・出入りのどれが目的か整理する - 浴室とトイレの窓を見直す
換気扇で足りるなら窓なしも検討する - 天窓の防水とメンテを確認する
保証・点検・将来費用まで見る - 契約前に差額を出す
樹脂サッシ変更や窓削減の金額を確認する
特に見落としやすいのが、窓を減らす提案です。
窓は多いほど明るいと思われがちですが、実際にはそう単純ではありません。
隣家の視線が入る窓、開けない窓、カーテンを閉めっぱなしの窓は、暮らしの満足度を下げることがあります。
既存記事との違い|この記事は「後悔回避」に特化しています
窓の種類やサッシ、配置の基本を知りたい方は、既存のこちらの記事も参考になります。
注文住宅の窓で後悔しない!種類・サッシ・配置の選び方を建築士が徹底解説
この記事では、窓の基礎知識というより、実際に後悔しやすい窓をランキング形式で整理しました。
- 既存の窓記事|窓の種類・サッシ・配置の基本を広く解説
- この記事|結露・カビ・雨漏り・掃除で後悔しやすい窓を重点解説
- 内部リンクの役割|基礎知識を知りたい人を既存記事へ案内する
同じ窓テーマでも、検索する人の悩みは違います。
「窓の種類を知りたい人」と「選ぶと後悔する窓を避けたい人」では、求めている答えが違うからです。
よくある質問
- お風呂の窓は本当にいらないですか?
-
必ずいらないとは言いません。坪庭や景色を楽しみたい、自然光を入れたいなど明確な理由があるなら採用しても良いです。ただし、換気だけが目的なら換気扇で足りるケースも多いので、掃除・断熱・防犯まで含めて判断しましょう。
- 引き違い窓は全部やめた方がいいですか?
-
全部やめる必要はありません。リビングから庭やデッキへ出る掃き出し窓など、引き違い窓が便利な場所はあります。ただし、光だけ欲しい場所や気密を重視したい場所まで引き違いにする必要はありません。
- 樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシはどちらがいいですか?
-
断熱・結露対策を重視するなら樹脂サッシを軸に考えるのが安全です。ただし、LIXIL TWのように性能とデザインのバランスが良い高性能な複合サッシもあります。商品名と性能を見て比較してください。
- 窓の性能はどこを見ればいいですか?
-
サッシの商品名、ガラス枚数、Low-Eガラス、ガス入りかどうか、スペーサー素材、熱貫流率を確認しましょう。見積書でわからない場合は、契約前に仕様書を出してもらうのがおすすめです。
まとめ|新築の窓は標準仕様のまま決めると後悔しやすい
最後に、この記事のポイントを振り返ります。
- 浴室・トイレの窓は本当に必要か確認する
- スペーサーが樹脂かアルミか確認する
- 引き違い窓は必要な場所に絞る
- 天窓は防水と暑さのリスクまで見る
- アルミ樹脂複合サッシは商品名まで確認する
- 標準仕様だから大丈夫だと思い込む
- ペアガラス・トリプルガラスだけで判断する
- お風呂やトイレに何となく窓をつける
- 窓の商品名を見ずに契約する
- 契約後に変更すればいいと考える
最近、「窓は標準で大丈夫と言われたけど、本当にこのままでいいですか」という相談が増えています。
家づくりは、知識だけで全部判断するのは難しいです。
ただ、契約前に確認すべきポイントを知っているだけで、後悔はかなり減らせます。



窓は、毎日触れる設備ではないぶん軽く見られがちです。
でも、住み心地・電気代・結露・カビ・防犯まで関わるかなり重要な部材です。迷ったら、契約前にプロや詳しい担当者に確認してくださいね。
家づくりに迷っている方は、まずはハウスメーカー相性診断で自分に向いている会社を見つけることから始めましょう。










