【2026年】新築で「時代遅れ」と言われる設備・間取り10選|採用前の判断基準

悩んでいる人SNSで見つけた憧れの設備。
せっかく採用しても、数年後に「もう古い」「使いにくい」と後悔しない?



家づくりの流行は、思っている以上に早く変わります。
ただし、今回紹介する設備が全部ダメという話ではありません。問題は、昔の定番を、今の暮らしへ合うか確認せず採用することです。
10年前の展示場では「これぞ注文住宅」と輝いていた設備が、今は提案の中心から外れていることがあります。
理由は、単に見た目の流行が終わったからではありません。
スマートフォンが普及した。
共働き家庭が増えた。
家の断熱・気密性能が上がった。
電気代や売電制度が変わった。
こうした暮らしと技術の変化によって、設備へ求める役割そのものが変わったんです。
この記事では、建築士・宅地建物取引士で元ハウスメーカー社員の筆者ぽりんきが、数年前まで定番だった設備・間取りを10位から1位まで解説します。
台本で話した「あの頃は憧れだった」という現場の空気を残しつつ、2026年時点でも現行商品があるものは「時代遅れ」と一括りにせず、採用してよい人と代替案まで整理しました。
- 昔の定番が見直されている理由
- 後悔しやすい設備・間取り10選
- 今も採用してよい人の条件
- 費用、掃除、修理で見落としやすい点
- 現在の暮らしに合う代替案
- 設備を流行だけで決めない判断方法
- 契約前に担当者へ聞く質問
家づくりは、建てる前に知っているかどうかで後悔のしやすさが変わります。気になる方は、このあと紹介するチェックポイントを打ち合わせで確認してみてくださいね。


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結論|流行より「壊れた後・家族が変わった後」を見る
設備や間取りを選ぶとき、僕が見てほしいのは次の5点です。
- 10年後も同じ頻度で使っているか
- 故障したとき、その部分だけ交換できるか
- 掃除や消耗品の手間を続けられるか
- 子どもの成長や働き方の変化へ対応できるか
- その設備を外した予算で、性能や家具を良くした方が満足しないか



でも、せっかくの注文住宅だから、マンションや建売にはない設備を入れたい……。



その気持ちはよくわかります。
僕も展示場で働いていたので、照明が当たった浴室テレビやロフトを見るとワクワクする空気を知っています。ただ、展示場で10分感動する設備と、自宅で30年使いやすい設備は別なんです。
すでに採用して満足している方は、外す必要はありません。
家族の使い方に合っているなら、その設備はその家にとって正解です。
これから採用する方は、「人気だから」「標準だから」ではなく、暮らしで本当に使うかを一つずつ確認しましょう。
なぜ「大人気だった定番」が見直されるのか
住宅設備の流行は、ファッションのように見た目だけで変わるわけではありません。
家族の暮らし、住宅性能、周辺機器、社会制度が変わると、以前は合理的だった設備の役割が薄くなります。
スマートフォンが専用設備の役割を奪った
浴室テレビが憧れだった頃は、好きな映像をお風呂へ簡単に持ち込めませんでした。
今は小さな端末一つで、動画、音楽、電子書籍まで楽しめます。
家へ固定する専用機器より、持ち運べて買い替えられる物の方が、技術の変化へ対応しやすくなりました。
共働きで「部屋の用途」より「家事の流れ」が重視されるようになった
以前は、寝室の奥に大きなWICがあること自体が魅力でした。
今は、洗濯機から干す場所、収納、着替えまで何歩で移動できるかが重視されます。
設備の豪華さより、毎日10分の家事を減らす間取りへ価値が移っています。



展示場では、広い部屋や豪華な設備が目に入ります。
でも住み始めると、満足度を左右するのは「洗濯物を何回運ぶか」「掃除する部品が何個あるか」という地味な部分だったりします。
高断熱化と機械換気で、昔の常識が変わった
寒い家では、掘りごたつで足元を暖める意味がありました。
換気設備が十分でない時代は、浴室やトイレの窓を開けることも大切でした。
住宅性能と設備が変われば、昔の不便を解決するための仕掛けが不要になることがあります。
ただし、高断熱や24時間換気が適切に設計・施工されていることが前提です。
初期費用だけでなく、交換しやすさが見られるようになった
便利な機能が多いほど、故障する部品も増えます。
10年後に本体だけ交換できるのか。
同じ寸法の後継品があるのか。
壁や床を壊すのか。
新築時の価格だけではなく、交換の範囲まで考える人が増えたことで、シンプルな設備が見直されています。
まず比較|見直されている設備・間取り10選
| 順位 | 設備・間取り | 見直される主な理由 | 今の代替案 |
| 10位 | 浴室テレビ・ミスト・ジェットバス | 家電の陳腐化、清掃・修理 | 防水端末、シンプル浴室 |
|---|---|---|---|
| 9位 | 浅型食洗機 | 調理器具まで入りにくい | 深型・フロントオープン |
| 8位 | 1階・2階ともタンクレストイレ | 費用、水圧、停電時操作 | 1階だけ採用、タンク式併用 |
| 7位 | 浴室・トイレの窓 | 断熱、掃除、防犯 | 機械換気、高断熱窓 |
| 6位 | 売電目的の大容量太陽光 | 売電条件と交換費 | 自家消費に合う容量 |
| 5位 | 畳ダイニング・掘りごたつ | 配置固定、穴の掃除 | 置き畳、家具でつくる和空間 |
| 4位 | はしご式ロフト・小屋裏収納 | 荷物運び、暑さ、使用頻度 | 固定階段、1階収納 |
| 3位 | 寝室直結WIC | 起床時間、収納動線 | 廊下・洗面近くの収納 |
| 2位 | 洗面室と脱衣室の完全兼用 | 入浴中の利用、来客、洗濯 | 洗面と脱衣の分離・目隠し |
| 1位 | スリット窓の多用 | 費用、断熱、窓装飾 | 必要な窓へ集約、外壁で意匠 |
表は「採用禁止リスト」ではありません。敷地、家族構成、予算、商品仕様によって評価は変わります。とくに窓・太陽光・トイレは、製品性能と設計条件を確認して判断してください。
10位|浴室テレビ・ミストサウナ・ジェットバス
2010年前後の展示場では、広い浴室にテレビ、ミスト、ジェットバスを組み合わせた提案がよくありました。
「お風呂は体を洗う場所ではなく、リビングのように過ごす場所です」
そう説明されると、急に注文住宅らしく見えたんです。
台本でも話しましたが、当時のミストサウナ体験では「濡れないから本も読めますよ」と案内されることがありました。浴室テレビも、自宅でテレビを見ながら入浴できること自体が贅沢でした。
見直される理由は「家電の進化」と「埋め込み」
今は防水性能のあるスマートフォンやタブレットで、動画や音楽を持ち込めます。
一方、壁へ組み込んだテレビは簡単に買い替えられません。
画質、接続端子、配信サービスが変わっても、浴室だけ古い機器が残る可能性があります。
ジェットバスも、配管を含めた清掃が必要です。
最初の数か月は毎日使っていても、掃除が面倒でスイッチを押さなくなれば、高いオプションが浴槽の一部として残ります。



「使わなくなったらやめればいい」ができないのが、埋め込み設備の怖いところです。
家具なら捨てられますが、壁・配管・電気工事が絡むと、使わなくても家の一部として残ります。
ただし、浴室テレビやジェット機能が消えたわけではありません。
LIXILのスパージュには、現在も24型浴室テレビや肩湯・サイレントジェットが用意されています。入浴時間が長く、日常的に使う家庭なら、今も価値のある設備です。(LIXIL「スパージュ エンターテインメント」)
- 入浴時間が長く、週に何度も使うイメージがある
- 専用配管や機器の清掃方法を理解している
- 故障時の交換方法と費用を確認している
- 防水端末では代用できない価値を感じている
担当者には、「10年後に故障した場合、機器だけ交換できますか。廃番ならどうなりますか」と聞きましょう。
9位|浅型のビルトイン食洗機



食洗機は今も人気なのに、どうしてランキングへ入っているの?



食洗機そのものではなく、「標準だから浅型でいい」と中身を見ずに決めることが見直されています。
少し前まで、食洗機が標準で付くこと自体が住宅会社のアピールポイントでした。
ところが住み始めると、茶碗やコップは入るのに、洗うのが大変なフライパンや深鍋は手洗いということがあります。
食洗機を使っているのに、シンクにも洗い物が残る。
この「半分だけ家事が減る」状態へ不満が出やすいんです。
深型とフロントオープンが選びやすくなった
パナソニックの案内では、ミドルタイプの庫内容量40Lに対して、ディープタイプは60L。深型はフライパンなどの調理器具もまとめ洗いしやすいとされています。(Panasonic「大容量食洗機 ディープタイプのメリット」)
さらに幅45cmのフロントオープン型は約122Lで、同社ディープタイプの約2倍です。(Panasonic「幅45cm フロントオープンタイプ」)
だからといって、全員が大容量を選ぶ必要はありません。
夫婦2人で食器が少ない。
こまめに運転する。
大きな調理器具は手洗いで気にならない。
この家庭なら浅型でも十分です。
- いつも使う大皿・水筒・弁当箱のサイズを測る
- フライパンと鍋を入れた状態を見せてもらう
- 食器を入れたまま上かごを動かせるか確認する
- 深型にした場合、下部収納がどれだけ減るか確認する
- 交換時に同じ開口寸法の商品を選べるか聞く
食洗機の交換費や、ほかの設備の将来費用は、新築でメンテナンス費用が高い住宅設備15選で詳しく解説しています。
8位|1階も2階もタンクレストイレ
タンクレストイレは、便器の後ろがすっきりし、空間を広く見せやすい設備です。
今回見直したいのはタンクレスそのものではなく、1階も2階も、使い方を考えず一律にタンクレスへすることです。
数年前は「注文住宅なら全部タンクレス」という提案もありました。
しかし2階は家族だけが使い、滞在時間も短いケースが多いです。
便器本体の差額に加えて手洗い器や配管工事が必要なら、そのお金を1階の手洗い、収納、断熱へ回した方が満足する家庭もあります。
水圧と停電時の操作は商品ごとに確認する
台本では「2階は水圧不足になりやすい」と話しましたが、現在の商品を一律に判断してはいけません。
TOTOのネオレストLS・AS・RSは内蔵タンクの水と直圧水を使い、最低必要水圧は0.05MPaと案内されています。ブースターを別に付ける前提ではありません。(TOTO「便器につけるブースターはありますか?」)
停電時も、機種によって手動洗浄の方法があります。
ただし普段と同じボタン操作ではないため、取扱説明書の保管場所と操作方法は確認しておきましょう。(TOTO「停電・断水時の対応」)



「タンクレスは停電したら絶対に流せない」「2階では使えない」という話ではありません。
今の製品で確認するべきなのは、必要水圧、停電時の操作、手洗い器を含めた総額です。
- 来客も使う1階トイレをすっきり見せたい
- 別の手洗い器を置く広さと予算がある
- 給水圧が商品条件を満たしている
- 停電時の操作方法まで把握できる
2階はタンク式、1階だけタンクレスという組み合わせも、見た目と費用のバランスを取りやすい選択です。
7位|浴室・トイレの窓
「換気のために、お風呂とトイレには窓が必要」
これは長く続いた家づくりの常識でした。
今は24時間換気設備が原則として住宅へ設置されるため、窓を開けることだけに換気を頼る必要はありません。国土交通省も、住宅では第一種・第三種などの機械換気が多く採用されると案内しています。(国土交通省「快適で健康的な住宅で暮らすために」)
窓を付けると増えるもの
窓があれば、昼間は明るく、外の空気を入れられます。
一方で、サッシとガラスの掃除、結露対策、視線対策、防犯対策が増えます。
浴室では窓まわりに水分が残り、カビ掃除が増えることもあります。
温熱面でも、窓やドアは住宅のなかで熱の出入りが大きい開口部です。(YKK AP「暑さや寒さをやわらげる断熱窓」)



じゃあ、お風呂とトイレは窓なしにした方が正解?



敷地と好みで変わります。浴室から庭を眺めたい、朝の自然光が好きという方には価値があります。僕が避けてほしいのは「昔から付けるものだから」という理由だけで追加することです。
- 外から人影や生活時間が見えない位置か
- 開けなくても換気できる計画か
- 寒さを抑えられる窓性能か
- サッシへ手が届き、掃除できるか
- 窓の価格と目隠し費用を含めて納得できるか
浴室・トイレ以外の窓も含めた注意点は、新築で選んではいけない窓ワースト5で解説しています。
6位|売電目的で載せる大容量太陽光パネル
2010年代は「屋根いっぱいに太陽光を載せて、売電収入で住宅ローンを軽くする」という提案が目立ちました。
当時は、発電した電気を自宅で使うより、高い単価で売る考え方が中心でした。
2026年は、太陽光そのものが時代遅れなのではありません。
売電だけを目的に、使い切れない容量まで載せる考え方が見直されています。
2026年度は最初の4年と、その後で価格が違う
経済産業省が設定した住宅用太陽光10kW未満のFIT価格は、2026年度も初期投資支援スキームの対象です。
最初の4年は24円/kWh、5〜10年目は8.3円/kWhです。(経済産業省「2026年度以降の買取価格等」)
最初だけを見れば高く感じますが、10年間を通した発電量、自家消費量、電気料金、設備費、パワーコンディショナーの更新まで見なければ判断できません。



「毎月これだけ売電できるので、住宅ローンの足しになります」という表だけで決めないでください。
天候、屋根方向、影、電気の使い方で結果は変わります。
今は、昼間に発電した電気を家で使い、買う電気を減らす自家消費の考え方が大切です。
ただし、蓄電池を付ければ自動的に得になるわけでもありません。
太陽光だけ、太陽光と蓄電池、設備なしの3案で、初期費用と15〜20年の収支を比べましょう。
- 年間発電量の根拠は何か
- 自家消費率を何%で計算しているか
- FIT終了後の売電単価をいくらで置いたか
- パワーコンディショナー交換を含めているか
- 屋根防水や将来の撤去費を含めているか
- 太陽光のために屋根形状を無理に変えていないか
太陽光を含む設備の交換費は、新築でメンテナンス費用が高い住宅設備15選も参考にしてください。
5位|畳ダイニング・掘りごたつ
畳ダイニングや掘りごたつは、1990年代後半から2000年代に、和モダンの象徴としてよく提案されました。
椅子のように足を下ろせる。
冬はこたつを囲める。
家族団らんの場面が、そのまま目に浮かぶ間取りです。
展示場で座ると居心地も良く、「これを自宅にも」と思いやすいんです。
一番の弱点は、暮らしを床へ固定すること
掘りごたつは、床へ穴をつくります。
テーブルの位置、座る人数、向きを簡単には変えられません。
子どもが増えた。
大きなテーブルへ替えたい。
足腰が弱くなり、椅子で立ち上がりたい。
そんな変化があっても、床の穴が間取りを固定します。
さらに食べこぼしやほこりが穴へ落ち、掃除機のヘッドが入りにくいこともあります。



昔は足元の寒さを解決する意味も大きかったんです。
今の高断熱住宅では、暖を取るために床へ大きな仕掛けをつくらなくても、室温を整えやすくなりました。
それでも、家族で鍋を囲む時間が多く、座る場所を固定しても問題ない家庭には向いています。
迷う場合は、フラットな畳コーナー、置き畳、こたつテーブルで雰囲気をつくる方法もあります。
「将来使わなくなったら床をふさげますか」「ふさぐ場合、床材を同じ色で補修できますか」まで契約前に確認しましょう。
4位|はしごで上がるロフト・小屋裏収納



子ども部屋にロフトがあったら、秘密基地みたいで喜びそう!



引渡し直後は、かなり喜びます。
問題は、5年後も10年後も、はしごを出して上がるかどうかです。
ロフトは床面積を増やさず、収納や遊び場をつくれる点が魅力です。
ただし、重い季節家電や布団を持って、急なはしごを上がるのは大変です。
子どもが小さい間は転落が心配になり、大きくなると秘密基地へ興味を失うこともあります。
結果、上げるのが面倒な物だけが残り、数年開けていない収納になりやすいんです。
屋根に近い場所は、断熱・空調計画によって夏の暑さも変わります。
収納する物が熱に弱くないかも確認が必要です。
- 展示場のはしごを実際に上り下りする
- 両手に荷物を持てない前提で収納方法を考える
- はしごを出した状態で通路をふさがないか確認する
- ロフトの温度と換気・空調方法を聞く
- 10年後、誰が何を取りに上がるか想像する
頻繁に使うなら固定階段を検討し、日用品は1階や廊下収納へ置く方が暮らしやすい場合があります。
固定階段が使えるか、床面積・階数・高さの扱いは地域や設計条件で変わるため、設計者へ確認してください。
3位|寝室の奥にあるウォークインクローゼット
間取り図に「WIC」と書かれていると、それだけで収納が多い良い家に見えた時期がありました。
海外の大きなクローゼットへの憧れもあり、主寝室の奥へ3畳ほどのWICをつくる間取りが定番になりました。
今、見直されているのはWICそのものではありません。
家族の起床時間と洗濯動線を考えず、寝室を必ず通る配置にすることです。
共働きで起床時間が違うと、小さなストレスが続く
朝6時に着替える人と、7時まで寝たい人。
夜勤から帰って眠る人と、昼間に洗濯物を片付ける人。
寝室の奥に服があると、引き出しやハンガーの音で起こす可能性があります。
洗濯機が1階、WICが2階なら、乾いた服を毎回運ぶ動線も必要です。



WICの面積だけ見て「3畳も収納がある」と安心しがちです。
でも、人が歩く中央部分には物を置けません。壁面収納2畳の方が、収納量が近くて通路を減らせる場合もあります。
- 廊下から入れるWICにする
- 洗面・ランドリーの近くへファミリークローゼットを置く
- 寝室は壁面クローゼットで通路を減らす
- 夫婦の服を使う時間・場所で分ける
- オフシーズン品だけ寝室奥へ置く
寝室直結が合う家庭もあります。
夫婦の起床時間が同じ、洗濯物を2階で干す、着替えを寝室で完結したいなら合理的です。
「WICかファミクロか」ではなく、洗う・干す・しまう・着るを線でつないで決めましょう。
2位|洗面室と脱衣室を一つにまとめる間取り
2〜3畳の部屋に、洗面台、洗濯機、脱衣かごをまとめる。
この洗面脱衣室は、日本の住宅で長く使われてきた合理的な間取りです。
面積を抑えられ、配管もまとめやすいので、今でも決して時代遅れではありません。
それでも分離する家が増えた背景には、共働き、室内干し、家族の入浴時間、来客時の手洗いがあります。
家族の誰かが入浴すると、洗面台まで使いにくい
娘がお風呂へ入っている間、お父さんが歯を磨きに入りづらい。
来客に手を洗ってもらいたいのに、洗濯物と脱衣かごが見える。
乾燥中の洗濯物があるため、家族が洗面台へ行くたび気になる。
一つひとつは小さいことですが、毎日続くと間取りへの不満になります。



洗面と脱衣を分けるには、広い家じゃないと無理ですよね?



完全に別室へしなくても大丈夫です。洗面台を廊下側へ出す、脱衣部分だけ引き戸で隠す、室内窓や袖壁で視線を切る方法もあります。
ただし、分ければ必ず便利になるわけでもありません。
廊下洗面は音や散らかりが見えやすく、造作洗面は収納量や水はね対策が必要です。
脱衣室をランドリーにするなら、洗濯物を広げたまま着替えられる幅も確認します。
- 朝、洗面台を同時に何人使うか
- 入浴中に洗面台を使う人がいるか
- 来客が手を洗う場所はどこか
- 洗濯物を干す・畳む・しまう場所はどこか
- 造作洗面の収納とコンセントは足りるか
- 分離のために廊下や床面積が増えすぎないか
家族が少なく、来客も少ないなら、コンパクトな洗面脱衣室は今も効率的です。
流行の分離型を入れることより、家族が重なる時間を確認する方が大切です。
1位|外観デザインのためにスリット窓を多用する
2015年頃から、細長い縦すべり出し窓やFIX窓を3枚、4枚と並べる外観がよく見られました。
建売住宅との差が出て、外から見た瞬間に注文住宅らしく感じるデザインです。
台本を話している途中で思い出したのが、顔を外へ出せないほど小さい30cm角ほどの窓。
あれも、外観のアクセントとしてよく使われました。
今は、窓を並べて外観をつくるより、窓数を整理し、外壁の素材、軒、建物の形で見せる設計が増えています。
小さな窓でも「1か所分」の費用と手間がある
同じ窓面積でも、大きな窓1枚と小さな窓3枚では、枠、施工、防水処理、網戸、窓装飾が3か所分になります。
スリット窓は既製カーテンが合いにくく、ロールスクリーンやブラインドを個別に付けることもあります。
窓が高い位置や家具の裏へ来ると、ガラスと網戸の掃除も大変です。
温熱面でも、窓は壁より熱が出入りしやすい場所です。
窓の性能が高くても、目的のない窓を増やせば、その分だけ外皮計算、気密、防水、日射の検討箇所は増えます。



設計中は外観パースを見て「窓がないと寂しい」と足したくなります。
でも住んでから見るのは、外観より室内側です。その窓から何が見え、どんな光が入り、どう掃除するかまで考えてください。
スリット窓を採用してよい条件
- 隣家からの視線を避けながら光を入れたい
- 外の景色を切り取る位置が決まっている
- 家具・収納・カーテンと干渉しない
- 開閉して風を通す明確な役割がある
- 外観と室内の両方から設計されている
窓は少なければ正解でも、多ければ失敗でもありません。
「採光」「眺望」「通風」「出入り」「外観」のどの役割を持つか、一枚ずつ名前を付けられる状態が理想です。
「時代遅れ」に振り回されない7つの判断基準
ここまで10項目を紹介しましたが、流行はまた変わります。
今人気のファミリークローゼットやランドリールームも、家族の使い方に合わなければ数年後に後悔します。
- 使う頻度を具体的に言えるか 「たまに使う」ではなく、週に何回使うかを家族で決めます。
- 代用品と比べたか 防水端末、置き畳、壁面収納など、固定しない方法も並べます。
- 10年後に部分交換できるか 本体だけで済むのか、壁・床・配管工事まで必要か確認します。
- 掃除を誰がするか決まっているか 便利さを使う人と、手入れをする人が違わないか確認します。
- 家族が変わっても使えるか 子どもの成長、時短勤務、老後、売却まで想像します。
- 初期費用以外を見たか 消耗品、電気代、修理、撤去、窓装飾まで含めます。
- 流行の名前を外しても欲しいか 「ファミクロ」「タンクレス」という名前ではなく、解決したい不便で判断します。



担当者へ「今人気ですか?」と聞くより、「この設備が壊れたら、どこまで工事しますか?」と聞いてください。
返答を聞くと、その設備を長く使うイメージが一気に具体的になります。
すでに採用していても、慌ててリフォームしなくてよい



うちには浅型食洗機もスリット窓もある……。失敗した家ということ?



そんなことはありません。
設備は流行ではなく、暮らしている家族が困っているかで評価します。問題なく使えているなら、この記事を見て交換する必要はありません。
ランキング記事を読むと、自宅にある設備が急に欠点だらけに見えることがあります。
でも、壊れていない設備を「古く見える」という理由だけで交換する方が、費用も廃棄も増えます。
まずは、工事をしない改善から試してください。
- 浅型食洗機は、食器をためず食後ごとに運転する
- 浴室テレビは、使わないなら待機電力や故障時対応を確認する
- タンクレストイレは、停電時の手動操作を家族で試す
- ロフトは、軽くて使用頻度の低い物だけに整理する
- 寝室WICは、朝使う服を入口側へまとめる
- 洗面脱衣室は、入浴中を伝える札や簡易目隠しを使う
- スリット窓は、家具配置と窓装飾を整理して役割を決める
リフォームは「困りごと」を一つに絞る
たとえば寝室直結WICが使いにくい場合、すぐに壁を壊してファミリークローゼットを新設する必要はありません。
毎朝使う服だけ廊下収納へ移す。
家族別に収納場所を分ける。
洗濯物を畳まずハンガーで移動する。
こうした運用変更だけで解決することがあります。
洗面脱衣室も、引き戸を新設する前に、カーテン、ロールスクリーン、収納家具で視線を切れる場合があります。
スリット窓の暑さや寒さが気になるなら、窓そのものをなくす前に、窓性能、方角、日射、すき間、窓装飾のどこが原因か確認します。
- 何が一番困っているのか
- その不便は毎日か、年に数回か
- 家具や使い方で改善できないか
- 設備が故障する時期まで待てないか
- 工事で別の不便が増えないか
- 費用に見合う時間と負担を減らせるか



家は完成した瞬間が100点で、その後ずっと減点されるものではありません。
家族に合わせて収納や使い方を変えながら、少しずつ育てていけば大丈夫です。
契約前に担当者へ聞く10の質問
- この設備を採用した人は、実際にどのくらい使っていますか
- 標準仕様から外すと、いくら減額されますか
- 上位・下位モデルとの違いは何ですか
- 10年後に本体だけ交換できますか
- 廃番になった場合、代替品は同じ寸法で入りますか
- 日常の掃除と定期メンテナンスは何が必要ですか
- 故障時に使えなくなる範囲はどこですか
- この間取りを変更すると、構造や配管へ影響しますか
- 同じ不便を、家具や後付け設備で解決できますか
- 家族構成が変わったとき、別の使い方ができますか
自分たちに相性の良いハウスメーカーや、信頼できる営業担当に出会いたいという方は、ハウスメーカー相性診断や紹介制度を活用してみてください。ストレスなく家づくりを進められるよう、個別サポートも無料で実施しています。
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新築の設備・間取りに関するよくあるQ&A
- 今回の10項目は、新築で採用しない方がよい設備ですか?
-
一律に不要という意味ではありません。家族が使う頻度、手入れ、修理方法、将来の変更まで理解して採用するなら満足できます。「人気だから」「標準だから」だけで決めると後悔しやすい項目です。
- 浅型食洗機は選ばない方がよいですか?
-
食器が少なく、こまめに運転し、大きな鍋は手洗いする家庭なら浅型でも十分です。家族4人分と調理器具をまとめて洗いたい場合は、深型やフロントオープン型を実物で比較してください。
- 2階にタンクレストイレは設置できませんか?
-
設置できます。ただし、製品ごとの最低必要水圧、手洗い器を含む費用、停電時の操作を確認します。2階はタンク式、1階のみタンクレスにする方法もあります。
- お風呂やトイレに窓がないと換気できませんか?
-
適切に設計された機械換気で換気できます。窓を付ける場合も、換気の主役を窓だけにせず、断熱、防犯、視線、掃除まで含めて判断してください。
- 太陽光発電は2026年に付けても損ですか?
-
太陽光自体が損とは限りません。屋根条件、設備費、自家消費率、電気料金で変わります。売電収入だけではなく、家で使って買電を減らす効果と交換費まで含めて試算してください。
- ロフトは固定階段なら後悔しませんか?
-
上り下りは楽になりますが、温度、収納物、床面積や階の扱い、建築費を確認する必要があります。日常的に何を置き、誰が取りに行くかを決めてから採用しましょう。
- WICと壁面クローゼットはどちらが収納量を増やせますか?
-
同じ面積でも、WICは人が歩く通路が必要です。壁面クローゼットの方が効率的な場合があります。収納量だけでなく、洗濯物をしまう動線と着替える場所で比べてください。
- 洗面室と脱衣室は必ず分けるべきですか?
-
家族が少なく、入浴時間が重ならず、来客も少ないなら兼用でも合理的です。分けるために床面積と費用が増えすぎる場合は、引き戸や目隠しで対応できます。
- スリット窓は断熱性能が悪いですか?
-
性能はサッシ、ガラス、サイズ、施工で変わります。スリット窓だから一律に低性能ではありません。ただし枚数が増えると、費用、窓装飾、掃除、防水の検討箇所も増えます。
- 流行の設備を選ばないと、売却時に不利になりますか?
-
流行設備があるだけで売却価格が決まるわけではありません。立地、建物状態、断熱・耐震性能、間取りの使いやすさなどを総合して評価されます。特殊な設備より、手入れされ、変更しやすい家の方が幅広い人へ合いやすいです。
まとめ|30年住む家を、数年の流行だけで決めない
今回紹介した設備・間取りを振り返ります。
- 10位:浴室テレビ・ミストサウナ・ジェットバス
- 9位:浅型のビルトイン食洗機
- 8位:1階も2階もタンクレストイレ
- 7位:浴室・トイレの窓
- 6位:売電目的の大容量太陽光パネル
- 5位:畳ダイニング・掘りごたつ
- 4位:はしご式ロフト・小屋裏収納
- 3位:寝室直結ウォークインクローゼット
- 2位:洗面室と脱衣室の完全兼用
- 1位:スリット窓の多用
僕がこの記事を書いたのは、昔の家づくりを否定したいからではありません。
その時代には、その設備が暮らしを良くする理由がありました。
でも家は、スマートフォンのように数年で買い替えられません。
設備が壊れた後も、子どもが成長した後も、働き方が変わった後も、その家で暮らします。



今人気かどうかより、10年後も使うか。
見た目がいいかより、壊れたときに直せるか。この2つを確認するだけで、設備選びの後悔はかなり減らせます。
すでに採用している設備が入っていても、心配しすぎなくて大丈夫です。
使い方に合っているなら正解ですし、使いにくい部分は家具、収納、メンテナンス方法で改善できることもあります。
これから建てる方は、担当者の「今人気です」という言葉の先まで聞いてください。
30年後も家族が無理なく使えるか。
その視点で選んだ設備は、流行が変わっても簡単には古くなりません。
気になる住宅会社がある方は、まずは自分たちの予算、土地条件、好みのデザインに合うかを整理してみてください。
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