採用して後悔するキッチン設備5選|維持費・使いにくさを建築士が本音解説

最近、家づくりの相談でじわじわ増えているのが、「キッチンのオプションで余計なお金を使った」という後悔です。
モデルハウスのキッチンは本当によくできていて、「タッチレス水栓、かっこいい」「自動でレンジフードが洗えるなら絶対つけよう」ってなりますよね。
でも、実際に住み始めてから、「壊れたら修理代が15万円」「掃除を楽にするための機能が、逆に家事を増やした」という話は後を絶ちません。
悩んでいる人「タッチレス水栓って本当に便利なの?後悔しない?」
「食洗機はどのタイプにすれば正解?」
「自動洗浄レンジフードって実際どうなの?」



キッチン設備は「一度選んだらなかなか変えられない」場所です。
壊れたとき・メンテナンスのとき・毎日の使い勝手、3つの視点で選んでいる人が意外と少ないんです。
この記事では、建築士で元ハウスメーカー社員の筆者ぽりんきが、人気のキッチン設備の中でも採用してから後悔しやすいオプション5つを、実際の修理費・維持費・暮らしのリアルも交えて解説します。
- 採用して後悔しやすいキッチン設備の特徴
- 自動洗浄レンジフードの「掃除ゼロ」が嘘な理由
- 食洗機は「浅型」を選んではいけない理由
- タッチレス水栓で後悔しやすい5つのデメリット
- ビルトイン浄水器のサイレント水漏れリスク
- 多機能IHヒーターで浮いたお金の正しい使い道
「コストを抑えつつ、毎日の生活にゆとりを持たせたい」という方は、ぜひハウスメーカー選びの参考にしてくださいね。


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キッチン設備は「便利な機能」ほど後で後悔しやすい
ショールームへ行くと、最新のキッチン設備が並んでいて、カタログには「10年掃除不要」「家事が劇的にラクになる」という言葉が並んでいます。
ただ、カタログに書かれていないことがあります。
- 壊れた時の修理費用
- 毎日使ってわかる地味なストレス
- メンテナンスの手間
- 10〜15年後の交換コスト
キッチン設備は毎日使うものなので、「ショールームで見た印象」だけで選ぶと住み始めてから後悔しやすいです。
実際に相談で多いのが、「オプションで100万円以上かけたのに、壊れたら修理代が高くてびっくりした」「便利機能がついているせいで、かえって掃除の手間が増えた」というケースです。



機能が増えるほど、壊れる部品も増えます。
「シンプルな設備+浮いたお金を暮らしやすさに回す」という発想が、10年後の家計にも優しいです。
後悔しやすいキッチン設備ワースト5
ここからは、人気があるけれど「住んでから使いにくい」「維持費が想定外」という設備を紹介します。
おしゃれさや機能性を否定したいわけではありません。
メリットとデメリットを知ったうえで選べば、後悔は大幅に減らせます。
| 順位 | 設備 | 後悔しやすい理由 |
| 1位 | 浅型食洗機 | 大皿・フライパンが入らず二度手間になる |
|---|---|---|
| 2位 | 自動洗浄レンジフード | 掃除ゼロではなく、故障リスクが高い |
| 3位 | タッチレス水栓 | 修理代が高く、誤作動で地味なストレス |
| 4位 | ビルトイン浄水器(専用水栓) | 維持費2倍+水漏れリスクが見えにくい |
| 5位 | 3口多機能IHヒーター | 多機能でも実際は2口しか使えない |



これ、全部ショールームで見るとかっこよく見えるものばかりです。
でも住んでから気づく落とし穴が多い。知っていれば防げる後悔なので、ぜひ最後まで読んでください。
5位|3口多機能IHヒーターはお金の無駄になりやすい
IHコンロの話から始めます。
多くの住宅会社では、標準仕様として「2口IH+1口ラジエントヒーター」のタイプがついてきます。
ここで、オプション料金を払って「3口すべてIH+スマホ連動・自動調理付き」の多機能タイプにする方が多いのですが、はっきり言ってお金の無駄になるケースがほとんどです。
多機能IHヒーターの落とし穴
① 3口同時に使えるようで使えない
IHヒーターには最大消費電力の上限があります(機種によって異なりますが多くは5.8kW前後)。
3口を同時に最大火力にしようとすると、自動的に他の口の火力が落ちる仕様になっています。
② スマホ連動・自動調理機能は最初しか使わない
カタログで「スマホでレシピを送信して自動調理!」という機能が紹介されています。
ただ、目の前にコンロがあるのに、毎回スマホを取り出してアプリを開いて設定する人はほぼいません。
指で「強火」ボタンを押す方が10倍早いです。
- スマホ連動・自動調理
- オールメタル対応(アルミ鍋も使えるが加熱効率が悪い)
- 専用鍋レシピ自動設定
多機能IHより浮いたお金の使い道
標準グレードの2口IH(+ラジエント)と比べると、多機能3口IHは10万〜15万円ほど高くなることがあります。



この差額を「深型食洗機」や「キッチン天板のグレードアップ(セラミックなど)」に回した方が、毎日の暮らしはずっとラクになります。
キッチン設備は、機能の多さより「毎日使う動線と掃除しやすさ」で選んでください。
4位|ビルトイン浄水器(専用水栓)は維持費と水漏れリスクに注意
キッチンに「浄水専用の蛇口を1本追加する」ビルトイン浄水器も人気のオプションです。
確かに、浄水がすぐ使えるのは便利です。
ただ、「蛇口がもう1本ある」ということは、維持費が2倍になることを意味します。
ビルトイン浄水器の3つのデメリット
① シンクの掃除面積が増える
水栓の根元は最も水垢・ヌメリが溜まりやすい場所です。
それが2本あるということは、掃除のストレスも単純に2倍になります。
② 毎朝の「捨て水」がじわじわストレスになる
朝や、数時間使っていなかった後は、ホース内に残った水を数秒〜数十秒流してから使う必要があります。
「今すぐ飲みたい」ときのこの数秒が、毎日続くとじわじわ不満になります。
③ カートリッジ交換が地味に大変
シンク下の収納の奥に入っているカートリッジは、水を含んで重く、交換するためには引き出しをすべて出して腰をかがめる必要があります。
| 項目 | 費用の目安 |
| カートリッジ代 | 年間15,000円〜30,000円(毎年かかる) |
|---|---|
| 水漏れ・部品修理 | 15,000円〜30,000円 |
| 本体の丸ごと交換 | 50,000円〜120,000円(製品+工賃) |
最大のリスク:シンク下の「サイレント水漏れ」
ビルトイン浄水器が経年劣化で接続部から漏水した場合、引き出しの奥なので気づくのが遅れ、床板の腐食やカビにつながることがあります。



浄水機能がどうしても欲しい方には、「浄水一体型の水栓」(蛇口1本で浄水も出せるタイプ)をおすすめします。
蛇口を2本にしないだけで、掃除・維持費・水漏れリスクすべてをまとめて減らせます。
3位|タッチレス水栓は修理費の高さと誤作動が意外なストレスに
タッチレス水栓のメリット・デメリットについては、既存の詳細解説記事があります。
タッチレス水栓の9つのデメリットと選び方については、建築士が詳しく解説しています。採用を検討している方はあわせてご確認ください。
→ タッチレス水栓は後悔する?9つのデメリットと失敗しない選び方を建築士が解説
この記事ではポイントだけまとめておきます。
- センサー修理代:15,000円〜40,000円
- 本体丸ごと交換:80,000円〜150,000円
- 温度調整には結局レバーを触る必要がある
- 停電時に手動切り替えが必要(シンク下のつまみを回す)
- 意図しない誤作動で袖が濡れることがある



どうしても採用したいなら、国内大手メーカー(LIXILのナビッシュ、TOTO、Panasonicなど)の上位機種を選んでください。
安価な海外製や格安品はセンサー精度が悪く、部品供給も不安定です。
2位|自動洗浄レンジフードは「掃除ゼロ」が嘘で修理費も高い
「10年間ファン掃除不要」でおなじみの自動洗浄レンジフードも、かなり慎重に見てほしい設備です。
クリナップの洗エールレンジフードが代表的ですが、リンナイ・パナソニック・リクシルにも同様のタイプがあります。
「掃除を楽にするための機能が、最も故障リスクを高めている」というのがプロの正直な感想です。
「掃除ゼロ」は本当か?
① 10年掃除不要はファンの話だけ
「10年掃除不要」というのは、あくまで「内部のファン」のことです。
毎回手洗いが必要なものがあります。
- 表面の整流板
- オイルトレー
- 自動洗浄に使う給水タンク
- 自動洗浄後の排水タンク



「レンジフードが自動で洗ってくれる」と言いますが、その汚れた水を溜めたタンクを洗うのは自分です。
しかもこのタンク、サボるとヌメリが出ます。「掃除機を掃除する」みたいな話と同じで、謎の家事が増えるだけなんです。
② 構造が複雑な分、壊れたときが怖い
通常のレンジフードは「換気に必要な部品」を換えれば修理が済みます。
ところが自動洗浄タイプは、給排水ポンプ・センサー・パッキンなど多数の部品が内部にあり、壊れると高額修理になりやすいです。
| 修理・交換内容 | 費用の目安(技術料込) |
| ポンプ・センサー類の修理 | 25,000円〜40,000円 |
|---|---|
| ファン・モーター交換 | 30,000円〜50,000円 |
| 本体丸ごと交換 | 150,000円〜250,000円 |
③ 10〜15年後の本体交換が大工事になるリスク
自動洗浄機能が壊れて本体交換が必要になったとき、後継機種がなければ、ダクトの位置やキッチンパネルとの兼ね合いで大掛かりな工事になることがあります。
- 無駄な出費をできるだけ抑えたい人
- 長く安心して使いたい人
- 機械のメンテナンスが苦手な人
- 10〜15年後の交換工事を大ごとにしたくない人
シンプルなレンジフードを選ぶメリット
- 掃除のタイミングを自分でコントロールしたい
- 故障のリスクを最小限にしたい
- 浮いた10万円を食洗機など別の設備に回したい



「ベタベタのファンを触るのがどうしても無理」という人には自動洗浄もあり。
でも「維持費を抑えてラクに暮らしたい」なら、シンプルなレンジフード+数年に一度のプロクリーニング(数万円)の組み合わせの方が、よっぽど安上がりで清潔です。
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1位|浅型食洗機は「標準仕様だから」で選ぶと必ず後悔する
この中で、一番声を大にして伝えたいのが「浅型食洗機」です。
「食洗機は絶対つけよう」と思っている方は多いと思います。
ただ、食洗機には浅型・深型・フロントオープン(ミーレなどの海外製)の3種類があり、浅型を選んだ人のほぼ全員が後悔します。
浅型食洗機の2つの致命的なデメリット
① 大皿・フライパンが入らない
浅型は内寸の高さが低いため、直径24cm以上の大皿・フライパン・まな板・ボウルなどが同時に入りません。
「食器は洗えるけど、調理器具は手洗い」という二度手間が毎日続きます。
② テトリスのような詰め込み作業が毎食必要
浅型に家族4人分の食器を収めるには、ものすごい知恵を使います。



5分かけてテトリスのように詰め込んで、それでも入りきらなかったフライパンと大皿を見たとき、「…これなら最初から手で洗えばよかった」ってなります。
この敗北感を味わいたくないなら、黙って深型を選んでください。
深型・フロントオープンとの比較
| タイプ | 特徴 | おすすめ度 |
| 浅型 | 大皿・フライパンが入らない。二度手間になりやすい | ✕ 基本的におすすめしない |
|---|---|---|
| 深型 | 浅型より約10cm高い。フライパンや大皿も入る | ◎ 標準的なおすすめ |
| フロントオープン(ミーレ等) | カゴ全体を見渡せて1日分をまとめて洗える | ◎ 予算が許すなら最上位 |
深型は浅型に比べて高さが約10cm増えるだけです。
ただし、この10cmで「フライパンが入るか入らないか」が決まります。
価格差以上の利便性の差があるので、予算が許すなら最初から深型一択です。



深型食洗機があると、「1日分の食器と鍋を夜に一気に洗う」生活が実現できます。
子どもが小さくて忙しい時期こそ、深型の恩恵を実感できます。
キッチン設備を選ぶときの3つのチェックポイント
ここまでの話をまとめると、キッチン設備で後悔しないために確認すべきことが3つあります。
- 壊れたときの修理費はいくらか|センサー・ポンプ・モーターなど部品が多いほど高くなる
- 毎日使って感じるストレスはないか|誤作動、詰め込み、捨て水など「地味な不満」を先に想像する
- 10〜15年後の交換工事はどうなるか|後継機種がなければ大掛かりな工事になる場合がある



キッチンは一度選んだらなかなか変えられない場所です。
「今日使いたいかどうか」だけでなく、「10年後も満足できるか」まで想像して選びましょう。
よくある質問(Q&A)
- 食洗機は浅型から深型に変更できますか?
-
多くの住宅会社では変更できます。差額は数万円が多いので、標準仕様が浅型の場合は必ず確認してください。フロントオープン型(ミーレなど)への変更はキャビネットの変更が必要になる場合があります。
- タッチレス水栓はやめた方がいいですか?
-
やめた方がいい、ということはありません。ただし修理費が高く(センサー部分だけで15,000〜40,000円)、誤作動もゼロではありません。国内大手メーカーの上位機種を選び、デメリットを許容できる方には良い選択肢です。詳しくはタッチレス水栓後悔記事をご確認ください。
- 自動洗浄レンジフードは掃除が本当にラクになりますか?
-
「ファンの掃除」はラクになります。ただし、整流板・オイルトレー・給排水タンクは定期的な手洗いが必要です。構造が複雑な分、故障リスクと修理費も高くなります。
- ビルトイン浄水器より浄水一体型水栓の方がいいですか?
-
総合的にはおすすめです。蛇口が1本になるだけで、掃除・カートリッジ交換・水漏れリスクすべてを低減できます。
- IHは標準の2口で十分ですか?
-
多くの家庭では十分です。3口同時に最大火力が必要な場面は現実的に少なく、電力容量の制限から全口同時最大出力もできません。浮いた予算を食洗機や天板グレードアップに回す方が暮らしへの影響が大きいことが多いです。
まとめ|設備は「シンプル」を選び、浮いたお金を本質的な快適さへ
キッチン設備は、機能が増えるほど壊れる部品も増えます。
最新機能の裏にある「壊れたときの絶望的な金額」と「毎日の地味なストレス」を事前に知っておくかどうかで、10年後の満足度は大きく変わります。
- 食洗機は浅型より深型を最初から選ぶ
- 浮いた予算を食洗機・天板グレードアップなど「毎日触るもの」に使う
- レンジフードはシンプルな構造を選び、プロクリーニングを活用
- 浄水器は専用水栓より「浄水一体型水栓」を検討
- IHは機能の多さより「使いやすい火口の数と位置」で選ぶ
- ショールームの見た目だけでキッチン設備を決める
- 「10年掃除不要」「家事ゼロ」という言葉をそのまま信じる
- 標準仕様の浅型食洗機をそのまま採用する
- 「あとでオプション追加でいいですよ」をそのまま受け入れる



「ショールームで見るとつけたいものが増えすぎて、気づいたらオプションで100万円超えた」という相談は本当に多いです。
設備はシンプルなものを選び、その分のお金を「深型食洗機」や「キッチン天板の素材」など毎日触る場所の快適さに使う——この発想が、住み始めてからも満足できるキッチンへの近道です。
家づくりに迷っている方は、まずはハウスメーカー相性診断で自分に向いている会社を見つけることから始めましょう。









