「上棟が近いけど、大工さんたちに差し入れは必要なの?
「どんな物を差し入れすれば良いのかわからない」
上棟とは、住宅の建築で柱や梁などを組み立て、家の最上部になる棟木を取り付ける作業のことをいいます。
多くの大工さんたちが集まって作業をしてくれますが、この時に差し入れをすべきかどうか悩んでいる方も多いです。
上棟当日の差し入れが必要ならどんな差し入れを持っていったら良いのかも気になるところですね。
この記事では、建築士で元ハウスメーカー社員の筆者ぽりんきが、上棟当日に差し入れが必要なのかどうかや、おすすめの手土産と渡すタイミングについて徹底解説をしていきます。
上棟当日に差し入れは必ず必要なわけではない
上棟当日の差し入れは必ずしも用意しなければならないというわけではありません。
ハウスメーカーや工務店によっては、「差し入れは不要です」と事前に言われることもあります。
ただ、差し入れをしてはダメ!というわけではないので、職人さんたちを労うために差し入れや手土産を用意する人も多くいます。
大工さんたちへの労いや感謝を伝えたくて差し入れする人もいるようです。
上棟式はした方がいいの?
上棟式とは、無事に上棟を終えられたことを感謝し、最後まで工事の安全を祈る儀式です。
地域によっては文化として根強く残っていることから上棟式を行う人もいますが、最近では上棟式自体を行わないという人も増えています。
その理由は、家族の予定が合わないことや上棟式の予算の負担を省くためなど様々です。
ですので、上棟式をしたくても予定を合わせられないなどの理由がある方は、上棟式を行わないという選択肢を持てることも頭に入れておくと良いでしょう。
上棟の差し入れでおすすめの手土産5選
上棟の日に差し入れはしなくても良いですが、差し入れをすると大工さんたちに喜んでもらえます。差し入れをすることで、大工さんたちに感謝を伝えることもできます。
可能であれば、大工さんたちに差し入れを持っていくようにしましょう。
ただし、ハウスメーカーによっては、そもそも差し入れ自体をお断りしているところもあるようです。
事前に差し入れを持ってきても良いか、担当に確認をとっておくようにしましょう。
差し入れお断りなのに持っていってしまうと、逆に大工さんたちにご迷惑をおかけしてしまうため注意してください。
上棟の差し入れでおすすめの手土産を5つご紹介します。
お昼ご飯のお弁当
おすすめの差し入れ1つ目は、お昼ご飯のお弁当です。
上棟当日のお弁当を差し入れとして準備する方は多いです。
選ぶお弁当は特に決まりはありません。
ただ、大工さんたちは朝から夕方までしっかり体を動かして作業をしてくれます。
お弁当を選ぶ際には、量が足りないということがないように選ぶようにしましょう。
飲み物
2つ目は飲み物です。
上棟の時、大工さんたちは丸一日冷暖房のない屋外で作業します。
暑い夏には冷たい飲み物を、寒い冬には暖かい飲み物を差し入れすると良いでしょう。
飲み物を選ぶ際には、1種類だけでなくコーヒーやお茶、スポーツドリンクや炭酸飲料など数種類用意して、大工さんたちが好みの飲み物を選べるようにしておくのがおすすめです。
夏場はクーラーボックスに入れて、冬はポットを用意して温かいコーヒーや味噌汁・スープなどが飲めるように準備すると喜ばれます。
また、上棟終わりに手土産としてビールを差し入れするのもおすすめです。肉体作業が終わって家に帰って飲めるお酒を用意しておくと喜ぶ方もいます。
お菓子
3つ目はお菓子です。
お菓子といっても、百貨店で売っているような高価なお菓子ではなくスーパーやコンビニで買えるようなお菓子が良いでしょう。
作業の休憩時間などに気軽につまめるお菓子があると喜ばれます。
お菓子は小袋で小分けになったお菓子の方が食べやすいです。
甘いお菓子やしょっぱいお菓子など、様々な好みに対応できるように色々なお菓子を用意するのもおすすめです。
ご祝儀
4つ目はご祝儀です。
ただ、ハウスメーカーによってはご祝儀を受け取らないというところもあるので、事前に営業担当者に確認しておくようにしましょう。
また、中には棟梁にのみご祝儀をお渡しする人もいます。
そんな時は、他の大工さんたちに配慮して、棟梁に渡す手土産にご祝儀を入れておくようにしましょう。また、ご祝儀をお渡しするのは、上棟が終わった後の17時頃にしてください。
暑さ・寒さ対策できるもの
5つ目は暑さ・寒さ対策できるものです。
一日中外で作業する大工さんたちに、少しでも疲れを癒せる物を用意すると喜ばれます。
例えば、夏場なら冷たい飲み物やアイス、熱冷ましシート、冷たいおしぼり、塩飴や氷砂糖などが良いでしょう。クーラーボックスに入れてお渡しすると喜ばれます。
冬場なら、温かい飲み物、中華まんやホッカイロ、温かいおしぼりなどがおすすめです。
冷めないように冷温庫や発泡スチロールの箱に入れて渡しましょう。
上棟の差し入れでNGなもの2つ
差し入れをすることで喜ばれますが、中には相手に迷惑に思われてしまう可能性があるものもあります。差し入れで失敗しないためにも、どんなものが差し入れNGになるのか知っておくようにしましょう。
上棟の差し入れでNGなもの2つをご紹介します。
大工さんたちのご迷惑にならないように、差し入れするものは考えて選びましょう。
夏なら暑さに弱いもの
1つ目は傷みやすい食べ物です。
例えば、生ものなどは、外に置いておくと傷んで食中毒になる恐れもあるため絶対に避けましょう。他にも、夏ならチョコレートのように暑さで溶けてしまうものも要注意です。
大工さんたちはお昼休憩以外だと、各々自分たちのタイミングで差し入れを口にします。
いつ食べても問題のないようなお菓子を用意する方が、大工さんたちも気兼ねせずに食べられます。
手作りのもの
2つ目はお菓子や軽食などの手作りのものです。
手作りのものを渡したいと考える方もいるかもしれませんが、最近ではスーパーなどで売られているものを差し入れすることがほとんどです。
手作りは衛生面で気にする方もいる可能性があるので、避けた方が良いでしょう。
上棟当日の差し入れを渡すタイミングは休憩時間がおすすめ
上棟の差し入れを渡すタイミングは、大工さんたちの休憩時間がおすすめです。
大工さんたちの休憩時間は、以下のタイミングで取られることが多いです。
- 午前休憩 10:00
- 昼休憩 12:00
- 午後休憩 15:00
- 仕事終わり 17:00
ハウスメーカーや工務店によって細かいスケジュールは異なりますが、大体この時間帯に差し入れを持っていくと大工さんの作業の邪魔になりません。
上棟で差し入れをする時の注意点
上棟で差し入れをする時、いくつか注意点があります。
- 大工さんの作業の邪魔にならないようにする
- 数は多めに持ってくる
- 余ったら持ち帰れる物が良い
- 近隣の方に挨拶をする
それぞれの注意点について解説していきます。
大工さんの作業の邪魔にならないようにする
まずは作業している大工さんの邪魔にならないようにしましょう。
大工さんたちは、休憩時間以外は現場で作業を行っています。中には危険な用具を使ったり、高所作業をしたりしている人もいます。
作業中に話しかけるのは事故の危険性もあるため絶対にやめてください。
大工さんたちに話しかけたい時や差し入れしたい時は、休憩時間を狙うようにしましょう。
数は多めに持ってくる
上棟当日は10人以上の大工さんが現場に集まって作業をしてくれます。
休憩時間に食べるお菓子や飲み物などは、多めに用意して大工さん全員に行き渡るように準備しておくようにしましょう。
余ったら持ち帰れる物が良い
上棟の際に多めに用意したお菓子や飲み物などは、処分に困らないように持ち帰れるようなものを準備しましょう。
上棟が終わったら大工さんたちは現場の後片付けをします。
その時に現場を綺麗に片付けられるように、現場にいる人で山分けして持って帰れるようなお菓子や飲み物だと持ち帰りやすくて、現場にもゴミが残りにくくなります。
お菓子は小分けになったものを、飲み物は500mlペットボトルなどが良いでしょう。
近隣の方にも挨拶をする
上棟の日に現場に行くと、近隣住民の方を見かけることもあります。その時は、必ず近隣の方にご挨拶を忘れないようにしましょう。
新築工事では、騒音や工事関係者の出入りがあって、近隣の方にご迷惑をかけている可能性もあります。
入居後に近隣の方と良い関係を築いていくためにも、工事中からご挨拶をするなどしてコミュニケーションを取るようにしてください。
上棟当日の差し入れに関するよくある質問
- ご祝儀の相場はいくら?
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棟梁なら5,000〜1万円、応援で来てくださった大工さんには3,000~5,000円程度が相場です。
ただし、そもそもご祝儀を受け取らない場合もあるそうなので、事前に確認しておく必要があります。
- 差し入れする時にのしは必要?
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一般的にはのしをつけてお渡しします。
水引の色は紅白で、蝶結びの形をした「もろわな結び」にして、「上棟式 内祝」や「上棟式記念」と表書きをしてお渡しします。
- 差し入れするならゴミ箱も用意した方がいいの?
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大工さんたちがゴミを捨てられるようにゴミ箱を用意する方が良いです。
ダンボールにゴミ袋を掛けるだけの簡易のものでも問題ありません。
まとめ
上棟では、たくさんの大工さんたちが丸一日かけて家の骨組みを作っていく日です。
棟梁だけでなく応援の大工さんたちにも呼びかけて朝から夕方まで作業してくれるので、感謝の気持ちを伝えるためにも差し入れをするのが良いでしょう。
ただ、中には差し入れするにはNGなものや、ご祝儀のように受け取ってもらえない可能性のものもあります。
事前に営業担当者に差し入れをしても良いのかなど確認した上で、準備をするようにしましょう。