古い家の固定資産税はいつまで下がる?築50年でもゼロにならない「20%の壁」を建築士が解説

悩んでいる人家は古くなれば価値がなくなるから、固定資産税もいつかゼロになるんですよね?
築30年、築50年になっても払い続けるんですか?



これ、かなり多い勘違いです。
結論からいうと、家が古くなっても、建物の固定資産税が自動的にゼロになるわけではありません。
先日、市役所の資産税課で働く知り合いと、家屋評価の仕組みについてじっくり話す機会がありました。
そこで改めて感じたのが、固定資産税は「古くなれば毎年きれいに下がる」という単純な税金ではないということです。
私自身の家も、経年減点補正率が最終段階へ到達するまでの目安は25年でした。
ところが、評価替えでは建築物価の変動も反映されるため、築年数が進んでも評価額が下がらないことがあります。
この記事では、建築士で元ハウスメーカー社員の筆者ぽりんきが、古い家の固定資産税が下がりきらない仕組みを詳しく解説します。
YouTube台本でお話しした資産税課のリアルな話をもとに、3年に一度の評価替え、再建築費評点補正率、都市計画税、家屋調査、解体時期、長期優良住宅やリフォームの減税まで、できるだけ噛み砕いてまとめました。
- 古い家の固定資産税がゼロにならない理由
- 「20%の壁」が本当に意味すること
- 築年数が進んでも税額が下がらない仕組み
- 新築4年目・6年目に税額が上がる理由
- 固定資産税と都市計画税の違い
- 古い家を壊す前に確認すべき住宅用地の特例
- 長期優良住宅・耐震・省エネ改修などの減税
- 納税通知書で確認したい項目と問い合わせ方
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結論|築50年でも固定資産税は自動的にゼロにならない
最初に結論をまとめます。
- 家屋の評価額は原則3年に一度見直される
- 経年減点補正率の下限は原則0.2
- 20%は建築費や税額そのものの20%ではない
- 建築物価が上がると、築年数が進んでも評価額が据え置かれることがある
- 固定資産税の標準税率は1.4%だが、自治体の条例で異なる場合がある
- 都市計画税は市街化区域などで課税され、税率は0.3%が上限
- 家を壊すと土地の住宅用地特例が外れ、土地の税負担が増えることがある
東京都主税局も、家屋の経年減点補正率には構造・用途ごとの下限があり、最終残価率は2割と説明しています。
また、建築物価の変動を反映した評価額が前年度を上回る場合には、前年度の評価額へ据え置く仕組みがあります。(東京都主税局「固定資産税・都市計画税Q&A」)



「築50年だから価値はゼロでしょ」と思っても、売買価格と税金の評価は別物です。
市場で安くしか売れない家でも、家屋の課税が自動的にゼロになるとは限りません。
建物と土地では税金の下がり方が違う
固定資産税の通知には、土地と建物の両方が載っています。
ここを分けずに見ると、「家は古いのに固定資産税が全然下がらない」と感じやすくなります。
| 項目 | 建物 | 土地 |
| 評価の基本 | 再建築価格方式 | 地価・路線価などをもとに評価 |
|---|---|---|
| 築年数の影響 | 経年減点補正率で反映 | 建物の築年数では下がらない |
| 見直し | 原則3年に一度 | 原則3年に一度 |
| 主な軽減 | 新築住宅・長期優良住宅・改修 | 住宅用地の特例 |
| 注意点 | 建築物価上昇で据え置きもある | 家を壊すと特例が外れることがある |
つまり、建物分が少し下がっても、土地の評価や都市計画税、新築軽減の終了によって、請求総額があまり変わらないことがあります。
固定資産税はどうやって決まる?
固定資産税は、土地・家屋・償却資産の所有者へ課される市町村税です。
毎年1月1日時点で固定資産課税台帳へ所有者として登録されている人が、その年度の納税義務者になります。
家屋の固定資産税は、基本的に次の考え方で計算されます。
- 家屋の評価額を算出する
- 評価額をもとに課税標準額を決める
- 課税標準額 × 税率で税額を求める
- 新築住宅などの減額があれば税額から差し引く
固定資産税の税率は1.4%が標準ですが、「全国どこでも必ず1.4%」ではありません。
自治体は条例によって異なる税率を定めることができます。
家屋は「今、同じ家を建て直すならいくらか」で評価する
家屋には、再建築価格方式が使われます。
簡単にいうと、評価する時点で同じ家をもう一度建てるとしたら、どのくらいの資材・設備・工事が必要かを点数化する方法です。
東京都主税局が示す家屋評価の式は、次の考え方です。
> 家屋の評価額 = 単位当たり再建築費評点 × 経年減点補正率 × 床面積 × 評点一点当たりの価額
実際の評価では、屋根、外壁、内壁、床、天井、建具、キッチン、浴室、トイレ、給湯設備など、さまざまな項目が確認されます。



「住宅会社から大幅値引きを受けたから、固定資産税も安くなる」とは限りません。
値引き後の契約金額ではなく、家屋に使われた資材や設備を基準に評価するからです。
固定資産税評価へ影響しやすい設備・仕様
「高い設備を入れたら、購入額と同じ分だけ評価額が上がる」という仕組みではありません。
ただし、評価基準の中で点数が設定されている資材や設備は、家屋評価へ影響する可能性があります。
- 屋根材・外壁材・内装材の種類と施工量
- キッチン・浴室・洗面・トイレなどの住宅設備
- 床暖房・全館空調・換気設備
- 太陽光発電設備の設置方法
- 天井高さ・吹き抜け・造作の内容
- ビルトインガレージや付属家の仕様
ここで誤解しやすいのが、商品価格と評価点数が完全に比例すると思うことです。
たとえば高級ブランドのキッチンを選んでも、ブランド名や実際の購入金額だけで評価するわけではありません。どの種類の設備が、どの規模・仕様で設置されているかを基準に見ます。
反対に、住宅会社のキャンペーンで無料になった設備でも、実際に家へ設置されて評価対象になれば、取得価格が0円だから評価も0円とは限りません。



「サービス品だから固定資産税に入らないですよね?」と聞かれることがあります。
契約上の値引きと家屋評価は別なので、設備を採用するかは税金だけで決めず、暮らしに本当に必要かで判断しましょう。
太陽光発電は設置方法で扱いが変わることがある
太陽光発電設備は、屋根と一体になった建材型か、屋根の上へ架台で設置するタイプかなどによって、家屋評価や償却資産としての扱いが変わる場合があります。
個人の住宅用設備でも、売電方法や事業利用の状況で確認事項が増えることがあります。
「20%の壁」とは?新築時の税額が2割になる意味ではない
古い家の固定資産税を調べると、「最後は20%まで下がる」という説明がよく出てきます。
ここで一番注意したいのが、20%の基準です。
20%とは、経年減点補正率の最終残価率が原則0.2に設定されているということです。
次のような意味ではありません。
- 3,000万円で建てた家の評価額が必ず600万円になる
- 新築時に年20万円だった固定資産税が必ず年4万円になる
- 築20年になった瞬間、全員一律で2割になる
- 建物と土地を合わせた請求額が2割になる
経年減点補正率が0.2になっても、再建築費評点、床面積、評点一点当たりの価額などが掛け合わされます。
さらに、納税通知書の合計には土地の固定資産税や都市計画税も含まれることがあります。
木造と鉄骨造では下がり方が違う
経年減点補正率は、構造や用途、最初の再建築費評点などによって異なります。
木造住宅でも、全員が同じ年数で0.2へ到達するわけではありません。
台本でお話しした私の家は、最終段階までの目安が25年でした。
一方、鉄骨造などは木造より長い期間をかけて下がる区分があります。
「木造は築20年」「鉄骨は築40年」と一律に断定はできません。用途、構造、再建築費評点数の区分によって経年減点補正率表が異なるため、個別の評価は納税通知書と自治体の資産税担当で確認してください。
固定資産税が下がるのは毎年ではなく原則3年に一度
家は毎年古くなりますが、家屋の評価額が毎年少しずつ書き換えられるわけではありません。
土地と家屋は、原則3年ごとの「評価替え」で価格を見直します。
前回の基準年度は2024年度、次は2027年度です。
そのため、2025年度と2026年度は、新築・増改築など特別な事情がない限り、原則として2024年度の価格が据え置かれます。
| 年度 | 位置づけ | 家屋評価の基本 |
| 2024年度 | 基準年度 | 評価替え |
|---|---|---|
| 2025年度 | 第2年度 | 原則据え置き |
| 2026年度 | 第3年度 | 原則据え置き |
| 2027年度 | 次の基準年度 | 評価替え |



毎年納税通知書が来るので、毎年評価し直しているように感じますよね。
実際は、家屋の価格は3年単位で動くのが基本です。
3年ごとでも必ず安くなるわけではない
ここが固定資産税のわかりにくいところです。
築年数が進むと経年減点補正率は下がります。
しかし同時に、「今、同じ家を建てるならいくらか」という再建築費も見直されます。
資材価格や人件費が上がり、再建築費評点補正率が上昇すると、古くなった分を相殺することがあります。
新しい計算結果が前年度の評価額を上回る場合には、税負担への配慮から前年度評価額へ据え置かれます。



私が住む自治体でも、2024年度の評価替えで家屋評価が下がりませんでした。
「次は安くなるかな」と思っていたのに、そのまま。これが次の評価替えまで続くので、家計の感覚としては6年ほど同じ負担が続くように感じます。
ただし、台本で使った「据え置きが1回あると、減価のチャンスを失い、一生30%・40%で止まる」という表現は強すぎます。
正確には、物価上昇によって評価額が下がらない評価替えが続けば、経年減点補正率が下がっても、評価額が期待どおりに下がらない可能性があるということです。
新築4年目・6年目に固定資産税が急に上がる理由
「家は古くなったのに、去年より固定資産税が上がった」
この相談で多い原因が、新築住宅の減額終了です。
一定の要件を満たす新築住宅は、床面積120㎡相当分までの固定資産税が2分の1に減額されます。
一般的な戸建て住宅は3年度分、3階建て以上の耐火・準耐火住宅などは5年度分が基本です。
認定長期優良住宅は、一般住宅より減額期間が2年長く、戸建ては5年度分、一定のマンションなどは7年度分になります。(国土交通省「認定長期優良住宅を取得したときに利用できる減税制度」)
| 住宅 | 減額期間の目安 | 減額内容 |
| 一般の戸建て住宅 | 3年度分 | 対象部分の固定資産税を1/2 |
|---|---|---|
| 認定長期優良住宅の戸建て | 5年度分 | 対象部分の固定資産税を1/2 |
| 一定の中高層耐火住宅 | 5年度分 | 対象部分の固定資産税を1/2 |
| 認定長期優良住宅の一定のマンション | 7年度分 | 対象部分の固定資産税を1/2 |



4年目に固定資産税が上がったということは、家の評価が上がったの?



評価額が急に上がったのではなく、半額にしていた特例が終わり、本来の税額へ戻った可能性が高いです。
新築時の資金計画では、この「軽減終了後の金額」まで見てください。
新築時は軽減後の税額だけを家計へ入れない
住宅会社の資金計画表では、初年度の固定資産税だけが記載されることがあります。
しかし、本当に確認したいのは、減額が終わった後です。
- 新築住宅の減額対象になるか
- 減額は何年度分続くか
- 減額終了後はいくらになる見込みか
- 土地と建物を分けた税額はいくらか
- 都市計画税も含めているか
- 毎月いくら積み立てれば納付時に困らないか
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都市計画税は場所によって負担が変わる
納税通知書に固定資産税と並んで記載されることがあるのが都市計画税です。
都市計画税は、都市計画事業や土地区画整理事業などの費用へ充てる目的税で、原則として市街化区域内の土地・家屋へ課税されます。
税率は0.3%が上限で、自治体の条例によって決まります。
そのため、都市計画税がかからない地域もあれば、0.1%、0.2%、0.3%などの税率を設定している自治体もあります。
0.3%でも10年続けば無視できない
仮に都市計画税の課税標準額が1,000万円、税率が0.3%なら、単純計算で年3万円です。
| 期間 | 単純計算の負担額 |
| 1年 | 3万円 |
|---|---|
| 5年 | 15万円 |
| 10年 | 30万円 |
| 30年 | 90万円 |
実際の課税標準額は評価替えや住宅用地特例などで変動します。表は税率差の影響を理解するための単純計算です。



土地選びでは土地価格、学区、駅距離、ハザードマップばかり見がちです。
でも、長く住むなら都市計画税の税率も聞いておきたいところ。0.1%の差でも30年続けば家計へ効いてきます。
土地選びで追加費用を見落としたくない方は、土地探しで失敗しない10の方法も参考にしてください。
家屋調査は何を見ている?隠して安くすることはできない
新築や増築をすると、自治体の職員による家屋調査が行われることがあります。
調査では、確認申請書、平面図、立面図、仕上表、設備仕様などをもとに、家屋評価に必要な項目を確認します。
台本を作る際、資産税課の知り合いへ「航空写真やAIで、ガレージまで毎年監視しているのか」と聞きました。
返ってきた答えは、自治体の予算や運用次第とのことでした。
航空写真を定期的に使う自治体もあれば、人が現地を回って変化を確認する自治体もあります。Googleマップを課税資料として一律に使っているわけでもありません。



だからといって「予算の少ない自治体なら、こっそり増築してもバレない」という話ではありません。
確認申請、登記、現地調査、近隣からの情報など、把握される経路はいくつもあります。
図面提出や調査を拒めば安くなるわけではない
自治体には、固定資産の評価に必要な質問・検査を行う権限があります。
正当な理由なく調査を拒否したり妨げたりすれば、罰則の対象になる可能性があります。
また、図面を見せなければ設備が評価されないというものでもありません。
必要な資料が得られない場合、別の資料や現況から評価されることがあります。
家屋調査は入居前に相談できることがある
引っ越し後、荷物が散らかった家へ調査に来られるのが気になる方もいますよね。
自治体によって対応は異なりますが、完成後の早い段階で資産税担当へ連絡し、「可能であれば入居前に調査してほしい」と相談できる場合があります。
これは評価を逃れる方法ではありません。
調査を落ち着いて受け、図面や仕様書を揃えて説明しやすくするための段取りです。
- 家屋調査の日程を入居前に相談できるか
- 図面・仕様書は何を準備すればよいか
- 立ち入り確認する部屋や設備はどこか
- オンライン・書類調査へ変更できるか
- 評価内容は後日どの書類で確認できるか
古い家を壊すと土地の固定資産税が上がることがある
古家付き土地や実家の相続で、一番気をつけたいのが解体のタイミングです。
固定資産税は、毎年1月1日時点の状態を基準に課税されます。
住宅が建つ土地には、住宅用地の特例が適用されます。
| 区分 | 固定資産税の課税標準 | 都市計画税の課税標準 |
| 小規模住宅用地(1戸につき200㎡まで) | 価格 × 1/6 | 価格 × 1/3 |
|---|---|---|
| 一般住宅用地(200㎡を超える部分など) | 価格 × 1/3 | 価格 × 2/3 |
この特例は税額そのものを必ず6分の1にする制度ではなく、課税標準を圧縮する仕組みです。(東京都主税局「住宅用地の特例措置」)
年内に壊せば得とは限らない
たとえば12月に古い家を壊し、1月1日時点で更地になっていると、原則として翌年度は住宅用地の特例が使えなくなる可能性があります。
建物分の固定資産税はなくなっても、土地分が増え、合計では負担が大きくなることがあります。



古い家は使っていないから、年内に壊した方が固定資産税は安くなると思っていました。



建物の税金だけなら減ります。でも土地の特例が外れる影響は大きいです。
解体費、建替え時期、1月1日の状態、土地の課税標準までセットで試算してください。
放置すればずっと特例を使えるわけではない
「それなら危険な空き家でも残しておけばいい」と考えるのも危険です。
管理不全空家等や特定空家等として勧告を受けると、住宅用地特例の対象から外れることがあります。
倒壊、衛生、景観、防犯の問題もあるため、税金だけを理由に危険な建物を放置するのはおすすめできません。
- 解体前後の建物分と土地分を試算する
- 建替えの着工・完成時期を確認する
- 1月1日時点で住宅が存在するか確認する
- 建替え中の住宅用地特例に自治体独自の扱いがないか聞く
- 空き家の管理状態と行政からの通知を確認する
- 相続登記・滅失登記などの手続きも整理する
固定資産税を合法的に抑える4つの制度・動き方
固定資産税は、裏で交渉して安くしてもらう税金ではありません。
大切なのは、使える特例を知り、期限までに申告し、工事の条件を契約前に確認することです。
1|長期優良住宅の新築減税を使う
認定長期優良住宅は、新築住宅に対する固定資産税の減額期間が一般住宅より2年延長されます。
戸建てなら、対象部分の固定資産税が2分の1になる期間は一般住宅3年度分に対し、長期優良住宅は5年度分です。
ただし、長期優良住宅は申請費用、維持保全計画、定期点検、将来のメンテナンスなども関係します。



「固定資産税が2年長く半額だから、絶対に得」とは限りません。
税金だけではなく、認定費用、住宅性能、補助金、維持管理まで含めて判断してください。
長期優良住宅の注意点は、長期優良住宅で後悔する理由で詳しく解説しています。
2|耐震・バリアフリー・省エネ改修の減額を確認する
一定の要件を満たす住宅リフォームには、工事翌年度の固定資産税を減額する制度があります。
国土交通省の案内では、耐震改修は2分の1、バリアフリー・省エネ改修は3分の1、長期優良住宅化リフォームは3分の2に相当する額が減額される制度が示されています。対象床面積、工事費、築年数、居住者などの要件があります。(国土交通省「リフォーム支援制度まるわかりガイド」)
| 改修の種類 | 減額割合の目安 | 主な注意点 |
| 耐震改修 | 1/2 | 旧耐震住宅、耐震基準、工事時期など |
|---|---|---|
| バリアフリー改修 | 1/3 | 居住者・築年数・工事費など |
| 省エネ改修 | 1/3 | 窓改修、工事費、床面積など |
| 長期優良住宅化 | 2/3 | 認定、耐震・省エネ工事など |
3|家屋調査の前に図面と仕様書を揃える
これは税額を不当に下げる方法ではありません。
評価対象を正しく確認してもらい、実際には付いていない設備が図面上だけ残っている、仕様変更が反映されていない、といった食い違いを防ぐための準備です。
- 確認申請図面
- 最終の平面図・立面図
- 仕上表
- 住宅設備の仕様書
- 変更契約書・追加工事一覧
- 太陽光発電・蓄電池などの資料
- 長期優良住宅の認定通知書
設計途中の古い図面ではなく、完成時の仕様がわかるものを用意してください。
4|納税通知書を毎年保管し、評価替えの年に比較する
固定資産税の納税通知書は、支払いが終わったら捨ててよい書類ではありません。
特に、基準年度の2024年度と2027年度のように、評価替え前後を比較できるよう保管しておくと、評価額が下がったか、据え置かれたか、新築軽減が終わったかを確認しやすくなります。
- 土地と家屋の価格
- 固定資産税の課税標準額
- 都市計画税の課税標準額
- 税率
- 新築住宅の減額額
- 住宅用地の区分
- 前年から増減した理由
納税通知書を見てもわからないときの確認手順
固定資産税の計算は複雑です。
わからないまま「市役所が計算しているから間違いない」と終わらせず、疑問があれば確認して大丈夫です。
手順1|前年と今年の課税明細書を並べる
総額だけではなく、土地と建物を分けて見ます。
建物の価格が変わったのか、新築軽減が終わったのか、土地の区分が変わったのかで対応が異なります。
手順2|資産税課へ増減理由を聞く
問い合わせるときは、次のように聞くと話が早いです。
- 家屋の評価額が前年と同じなのは、評価替えによる据え置きですか
- 現在の経年減点補正率はどの区分ですか
- 新築住宅の減額は何年度まで適用されていますか
- 都市計画税の税率はいくらですか
- 土地は小規模住宅用地として扱われていますか
- 評価内容を確認できる資料や縦覧制度はありますか
- 減額制度の申告漏れがないか確認できますか
手順3|評価内容に不服がある場合は期限を確認する
固定資産の価格に不服がある場合、固定資産評価審査委員会へ審査を申し出る制度があります。
ただし、対象になる内容や申出期間が決まっています。
単に「税金が高いから下げてほしい」ではなく、登録価格や課税内容のどこに疑問があるかを整理し、納税通知書を受け取ったら早めに自治体へ確認してください。



市役所へ電話するのは少し緊張しますが、「計算方法を教えてください」で大丈夫です。
払う側が仕組みを確認するのは、失礼なことではありません。
古い家の固定資産税を簡単シミュレーション
ここでは仕組みを理解するため、かなり単純化した例を紹介します。
建物評価額1,000万円・標準税率1.4%の場合
| ケース | 課税標準額の仮定 | 固定資産税の単純計算 |
| 新築軽減前 | 1,000万円 | 14万円 |
|---|---|---|
| 新築軽減中 | 1,000万円 | 7万円 |
| 経年後に評価額600万円 | 600万円 | 8万4,000円 |
| 経年後に評価額300万円 | 300万円 | 4万2,000円 |
この表を見ると、新築軽減が終わった直後は、築年数による評価減があっても前年より税額が増えることがあるとわかります。
さらに都市計画税や土地分が加われば、納税通知書の総額は別の動きになります。
上記は課税標準額と評価額を同額と仮定した単純計算です。実際の税額は自治体の税率、減額、免税点、土地の特例、都市計画税などで変わります。
20%へ下がっても建築費の2割とは限らない
仮に経年減点補正率が0.2でも、再建築費評点が物価上昇で高くなっていれば、家を建てたときの契約価格に単純に0.2を掛けた金額とは一致しません。
このため、30年前の建築費を見て「今の評価額はこの2割」と逆算することもできません。
家を建てる前・中古住宅を買う前の固定資産税チェックリスト
固定資産税は、住宅ローンのように毎月引き落とされるとは限りません。
年4回または一括で納めるため、準備していないと急に大きな出費が来たように感じます。
- 土地と建物の概算税額を分けてもらう
- 新築軽減中と終了後の両方を試算する
- 都市計画税の対象区域と税率を調べる
- 長期優良住宅の認定費用と減税効果を比較する
- 固定資産税を月割りで積み立てる
- 中古住宅は直近の課税明細書を確認する
- 古家を壊す前に土地の特例消滅後を試算する
- 増築・ガレージ・物置は課税と確認申請の両方を確認する
- リフォーム減税は着工前に要件を確認する
- 納税通知書を年度ごとに保管する
中古住宅では売主の税額をそのまま信じない
中古住宅の内見で、「固定資産税は年8万円です」と説明されることがあります。
参考にはなりますが、購入後も必ず同じ金額とは限りません。
売主が受けていた減免が終了する、土地を分筆する、増築部分が未登記だった、用途が変わるなど、購入後に条件が変わることがあるからです。
また、売買契約では、その年の固定資産税を引渡日で日割り精算することがあります。
これは売主と買主の間で負担を調整する契約上の精算であり、自治体が年の途中で納税義務者を切り替えるものではありません。
- 直近3年分の課税明細書を見せてもらう
- 新築・耐震・省エネなどの減額が残っていないか
- 増築部分と未登記部分がないか
- 土地が小規模住宅用地として扱われているか
- 固定資産税と都市計画税を分けて確認する
- 購入後の概算税額を仲介会社だけでなく自治体にも相談する



中古住宅は「売主が去年払った金額」だけでなく、なぜその金額なのかまで見てください。
安く見えた税額が、軽減終了や未評価の増築で変わると、購入後の家計に響きます。



月々の住宅ローンだけで予算を決めると、固定資産税、火災保険、修繕費が後から重くなります。
建てられる金額ではなく、30年無理なく持ち続けられる金額で考えてください。
ガレージの課税が気になる方は、ビルトインガレージの固定資産税と費用も確認しておきましょう。
古い家の固定資産税に関するよくあるQ&A
- 築50年の家でも固定資産税はかかりますか?
-
家屋として課税要件を満たし、免税点を超えていれば課税される可能性があります。経年減点補正率には原則0.2の下限があるため、築50年だから自動的にゼロになるわけではありません。土地の固定資産税も別に考える必要があります。
- 固定資産税は築何年で一番安くなりますか?
-
一律の年数ではありません。木造・鉄骨造などの構造、用途、再建築費評点数の区分によって、経年減点補正率が下限へ到達する年数は変わります。また、建築物価の上昇で評価額が据え置かれることもあります。
- 「20%まで下がる」とは税額が新築時の2割になることですか?
-
違います。20%は、家屋評価に使われる経年減点補正率の下限が原則0.2という意味です。実際の評価額には再建築費評点、床面積、評点一点当たりの価額なども影響し、土地や都市計画税も別に計算されます。
- 家が古くなったのに固定資産税が下がらないのはなぜですか?
-
主な理由は、家屋の評価替えが原則3年ごとであることと、再建築費の上昇です。築年数による減価より建築物価の上昇の影響が大きいと、新しい評価額が前年度を上回り、前年度評価額へ据え置かれる場合があります。
- 4年目に固定資産税が上がったのはなぜですか?
-
一般的な戸建て住宅では、新築住宅の減額が3年度分で終了し、4年目から本来の税額へ戻った可能性があります。認定長期優良住宅の戸建ては5年度分が基本なので、6年目に負担が増えることがあります。
- 古い家を壊せば固定資産税は安くなりますか?
-
建物分はなくなりますが、1月1日時点で住宅がないと、土地の住宅用地特例が外れて土地分の負担が増える可能性があります。解体前に、建物分の減少と土地分の増加を合わせて自治体や税理士へ確認してください。
- 都市計画税は全国どこでもかかりますか?
-
全国一律ではありません。原則として市街化区域内の土地・家屋が対象で、税率は0.3%を上限に自治体の条例で決まります。課税の有無と税率は、建築予定地の市区町村へ確認してください。
- 家屋調査を断ると固定資産税はかかりませんか?
-
そのようなことはありません。自治体には評価に必要な質問・検査を行う権限があり、正当な理由なく拒否・妨害すると罰則の対象になる可能性があります。日程や調査方法に不安がある場合は、資産税担当へ事前に相談しましょう。
- リフォームすると固定資産税は上がりますか?
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増築や大規模な改修によって家屋の価値が増したと判断されれば、評価へ影響することがあります。一方、耐震・バリアフリー・省エネ・長期優良住宅化など、一定の改修には翌年度の固定資産税を減額する制度があります。工事前に要件と申告期限を確認してください。
- 固定資産税の金額がおかしいと思ったらどうすればよいですか?
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まず前年と今年の課税明細書を並べ、土地・家屋の価格、課税標準額、税率、軽減額を確認します。そのうえで自治体の資産税担当へ増減理由を問い合わせてください。登録価格への不服申出には期間があるため、通知後は早めの確認が必要です。
まとめ|固定資産税は「古くなればゼロ」と思わず、仕組みで備える
- 直近2〜3年分の納税通知書を並べる
- 土地と家屋の評価額を分けて確認する
- 2027年度の評価替え前後を比較する
- 新築軽減が終わる年度を確認する
- 解体前に住宅用地特例が外れた後を試算する
- リフォーム前に使える減税制度を調べる



固定資産税は、通知が来てから慌てるより、家を建てる前に「軽減が終わった後はいくらか」まで聞くのが大切です。
見積もりの安さだけではなく、税金・修繕・光熱費まで話せる担当者を選んでくださいね。
家は、建てる瞬間より住み続ける時間の方がずっと長いです。
住宅ローンが払えるかだけでなく、固定資産税や都市計画税、火災保険、修繕費を含めて、無理なく持ち続けられる資金計画を立てましょう。
気になる住宅会社がある方は、まずは自分たちの予算、土地条件、好みのデザインに合うかを整理してみてください。
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