建売住宅にすると後悔するって本当？やめたほうがいいと言われる7つの理由

昨今の住宅費用の高騰などから、低コストで建てられる選択肢として注目を集める建売住宅。しかし、建売住宅を購入した人の中には購入後に後悔しているという声も少なくありません。

この記事では、建築士で元ハウスメーカー社員の筆者ぽりんきが、建売住宅と注文住宅の違いを踏まえ、建売住宅のメリット・デメリットと後悔しないためのポイントについて詳しく解説します。実際に建売を購入して後悔したケースについても取り上げていますので、住宅選びの参考にしてください。

また、「やっぱり一生に一度の住宅購入だから注文住宅で建てたい！」という方に向けて、住宅購入費用が90～150万円近く安くなる制度も解説しています。割引額が大きいこの制度を活用し、理想の住まいづくりを楽しみましょう。

建売住宅と注文住宅の違いとは

ここではまず、建売住宅と注文住宅の違いについて解説していきます。それぞれの特徴を知って、自分たちに合った住まい作りを楽しんでくださいね。

建売住宅

建売住宅とは、すでに設計・建設が完了している住宅を指し、購入者は完成した物件をそのまま購入します。

不動産会社が開発した土地の上に建てられ、複数の家が同じデザインで並んでいることが多いです。

完成済みのため、間取りの変更、内装・外装を自分たちで決めることはできません。その分、打ち合わせの手間が不要でコストが下がるので、手頃な価格で購入することが可能です。また、良い立地にあることが多いのも特徴です。

注文住宅

注文住宅は、購入者が土地を選び、間取り設計から内装・外装までを自由にカスタマイズすることができるのが特徴です。

ローコスト住宅メーカーから高級住宅メーカーまで各社それぞれ特色があります。価格も建物価格1,000万円台～1億円を超える商品まで様々です。

こだわりを持って建てられる反面、費用も高くなり打ち合わせや施工にかかる時間が長くなります。

住みやすさに直結する耐震性、耐火性、気密性、メンテナンス性など、こだわりを持って建てたい人は注文住宅を選ぶと良いでしょう。

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建売住宅のメリット5選

建売住宅には様々なメリットがあります。ここでは、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

メリット1｜比較的リーズナブルな価格で建てられる

建売住宅の最大の利点は、価格が比較的リーズナブルであることです。

すでに完成した物件になるので、打ち合わせ等が発生しない分コストが抑えられます。また、建売住宅は大量生産されることが多いため、材料費や工事費用を抑えやすくなっています。

建設費や設計料が事前に確定しているため、予算を超える心配が少なく計画的な資金管理が可能な点も利点ですね。

メリット2｜完成済みなのですぐに入居できる

建売住宅はすでに完成している状態で販売されるため、購入後すぐに入居が可能です。

注文住宅では、業者選定から設計～完成までに最低でも半年、長くなると1年以上かかることもありますが、建売住宅ではその手間と時間を省くことができます。

賃貸物件を契約するようなスピード感ですぐに入居ができるので、引っ越しを急ぐ必要がある場合や、すぐに新しい生活を始めたいと考えている人にとっては大きなメリットとなるでしょう。

メリット3｜完成した物件を見てから買える

建売住宅は完成した状態を確認してから購入を決められるので、間取りや内装を実際に見ることができます。

注文住宅では契約後に建て始めるので、漠然としたイメージのまま契約をしてしまって後悔するケースもあります。建売住宅は購入前に住宅の様子を見ることができるので、イメージと現実のギャップを防ぐことができます。

契約する前に実際に見学して家の雰囲気を感じたり、設備の使い勝手を確認したりすることもできるのはメリットが大きいですね。

メリット4｜打ち合わせが無いので忙しい人も買いやすい

注文住宅では設計や仕様に関する多くの打ち合わせが必要ですが、建売住宅ではその手間が省けます。

なにかと忙しく時間のない現役世代には、打ち合わせに費やす時間を減らせるのは大きなメリットですね。特に夫婦共働きや小さな子どもがいて忙しい方にとって、建売住宅はシンプルな購入プロセスで負担が少なく、スムーズに購入を進められる点も魅力といえます。

メリット5｜土地込みの商品なので手続きがシンプル

建売住宅は土地と建物がセットで販売されるため、購入手続きもシンプルです。

注文住宅では土地と建物を別々に買う必要があるので、契約の手間が多くなります。その点、建売住宅は土地と建物がセットであるため手間が少なくて済みます。

煩雑な手続きが苦手で避けたい方や、初めての住宅購入で不慣れな方にとっては安心して購入できる選択肢です。また、土地の選定から建設までの一連のプロセスを一度に済ませることができるため、手続き面での負担も軽くなります。

建売住宅で後悔した理由7選！実際の購入者の声と後悔しないためのポイント

建売住宅はメリットも色々ある反面、もちろんデメリットもあります。どういったデメリットがあるかを知っておかないと、購入後に後悔することにもなりかねません。

そこで、この章では実際に建売住宅を購入して後悔したケースを調査し、解説していきます。マイホームを購入を成功させるために、ぜひ参考にしてください。

幹線道路沿いで騒音がひどい

国道沿いの面した戸建ですが 内覧会の時に気が付かなかったトラックや改造車が頻繁に通って その騒音が今になってストレスとなってきてしまい 寝れない日もでてきてしまいました。（OKWAVE）

建売住宅を購入する時、立地条件には十分注意しましょう。

特に騒音の多い地域や、幹線道路沿いのような交通量の多いところでは、トラックなどの大型車が通るたびに大きな音がしたり家自体が揺れたりしてストレスに感じることが多いでしょう。

交通の便が良いからと言って安易に道沿いの建売を購入すると後悔するリスクが高いです。道路沿いの家のデメリットについて詳しく解説した記事はこちら 

あせって契約してしまって後悔

当日抽選申込の締め切りだった為、即日申込、１週間後の契約となりました。年が明けて日が経つほど、主人の強い薦めで、納得しないまま決断してしまった後悔ばかりで、春からその家に入る気持ちになれません。（OKWAVE）

住宅購入のような金額の大きい商品の場合、家族内で納得できない部分があるならば、やはり契約を見送る方がベターです。

「早く契約しないと」という気持ちがあると、デメリットを見落としてしまい後悔することが少なくありません。

「夫があの時急かさなければ」、「妻が不満をしっかり言ってくれていれば」などと家庭内不和の原因にもなりかねません。

しっかり円満に住宅購入を成功させるためにも、マイホームに求める条件について事前に家族内ですり合わせておくと、いざという時にも慌てず冷静に判断できますよ。

駅や学校などから遠い物件だった

駅からも遠く、保育園（２人目の育休中）からも遠く、建物も建て売りの中でも、最低な会社が建てた物件。本当は、注文住宅で建てたいと夢見ていた私にとって、耐え難い物件。なぜそんな家を購入することになってしまったのか。それは、まさに不動産の「ここはすぐに売れますよお」の言葉。不動産間の売り出し開始当日に、契約してしまい、手付けも１８０万払ってしまいました。（OKWAVE）

営業マンに「この物件はすぐに売れますよ」などと言われると、「今契約しないと後悔するんじゃないか」と思ってしまいますよね。早く契約しないと売れてしまうかもしれないと思うと、途端にその商品が価値の高いものに思えてしまうということは、日常でもよくあります。

ですが、住宅購入は金額が大きく、一度購入したら簡単に買い替えできるものではありません。

自分たちの生活に合った場所なのか、周辺環境や価格は適当か、家族内でも慎重に話し合いをしてから決めると良いでしょう。

外観から安っぽく見えて悲しくなる

アーネストワンの建売を購入して5年後、

目の前にお洒落な注文住宅が建ちました。

自分の家が安っぽく見えるようになり、悲しいです。（Yahoo!知恵袋）

外観の好みは、住宅購入者の満足度に直結します。注文住宅と違って建売住宅は外観を自分で決めることができません。周囲と同じようなデザインであることも多く、特に注文住宅と比較してしまうと安っぽさを感じることもあるでしょう。購入後に後悔しないためにも、デザインや外観について十分に考慮することが重要です。

オプションや修繕費で結局コストパフォーマンスが悪くなる

注文で買うよりも費用は抑えられたのでしょうが、修繕費や光熱費、その他諸々必要なオプションで、結局注文建てた方が満足度が高かったのではと落胆しています。将来的に建売を壊して、注文を建て直したいと思ってしまいます。（Yahoo!知恵袋）

初期費用が抑えられても、メンテナンス費用など長期的なコストがかさむことがあります。維持費や修繕費を見越した資金計画を立てておきましょう。

建売住宅では一般的に10年に1回程度のメンテナンスが必要になることが多いです。メンテナンスが必要な主な場所は以下の通りです。

足場代などを含めると、10年ごとにトータルで150万～200万円程度の費用が必要になります。仮に、10年おきに150万円かかるとすると、30年で450万円、60年では900万円かかることになります。

特に建売住宅で採用されやすいサイディングはメンテナンスコストが嵩みやすく、塗装だけでも70万～100万円程度必要です。さらに30年ほどするとサイディング自体の交換が必要になり、200万円前後の費用が発生します。

注文住宅で建てれば、メンテナンス費用を抑えられるようなグレードの高い外壁材を選ぶこともできるので、トータルコストで見た時に、どちらの方が満足度が高いかを慎重に検討すると良いでしょう。

もっとこだわりを持って建てればよかった

最近になっておしゃれな家を見たり

庭があって駐車場も広くてリビングも広い

そんな家を見てると羨ましくて仕方がありません。高額な買い物なので、もっともっといろいろ考えるべきでした。（Yahoo!知恵袋）

家を購入した後で他の家が魅力的に見えるのは、典型的な「隣の家の芝生は青い」の心理現象です。購入時は予算や条件を満たすことに集中しがちですが、時間が経つと新たな理想や欲求が出てきて、他の家がより魅力的に感じられることがあります。

こうした後悔を減らすためには、購入前に「優先順位」を明確にすることが重要です。

「広いリビング」「庭」「駐車場」など、家に求める条件をリスト化し、譲れない項目を決めておきましょう。また、購入後のライフスタイルや家庭環境や仕事における将来の変化をイメージしておくことで、どんな暮らしをしたいかを考えることも大切です。その理想が建売住宅でも満たせるかを考え、難しいと感じたら注文住宅にも目を向けてみると良いでしょう。

理想と現実にギャップが生まれるのは自然なことですので、今の家の良さに目を向けることで、後悔を和らげることもできますよ。

耐震性が不安

建売住宅で、特に地震に強いなどの特徴はなく、最低限の造りだと思います。強い地震が来ると心配です。

古い実家に比べれば過ごしやすい家だとは思いますが、夏は暑いですし特に冬が寒いです。家の中はすごく狭いこともないですが、サンルームが２階だったり、脱衣所がかなり狭い、台所が狭いなど便利な作りとは言えないです。（Yahoo!知恵袋）

耐震性や建物の品質は、安心して暮らすために不可欠です。建売住宅を購入する際には、特に安全面を重視して選びましょう。

建売住宅のメーカーの中にも耐震等級3を取得しているなど、しっかりした性能の良い商品を販売する会社はあります。そうした住宅メーカーを選ぶことで、耐震性への不安を和らげることは出来ます。

外気温の影響については住宅の気密性が重要ですが、建売住宅の気密性は高いとは言えません。とは言え、昭和や平成初期に建てられた木造住宅と比較すれば、今の住宅は建売でも格段に良くなってはいます。もしも建てた後に寒いと感じたなら、窓に内窓をつけるのも有効ですよ。以下はYKKapの商品ですが、今ある窓に取り付けることで断熱・遮音効果を高めます。

本当に省エネ性能や高断熱を求めるのであれば、高気密・高断熱性能の高さを売りにしているハウスメーカーで建てることも検討すると良いでしょう。

建売住宅を購入して後悔しないための注意すべき5つのポイント

ここでは、建売住宅を購入して後悔しないために注意することについて解説していきます。理想の住宅についてじっくり考えていきましょう。

立地を妥協しない

建売住宅は「立地が命」と言っても過言ではありません。

まずは通勤や通学、買い物の利便性を考慮し、自分たちの生活に不便な場所ではないかを確認しましょう。

駅からの距離はもちろん、幼稚園、保育園、小学校、中学校までの距離やスーパーなど商業施設が近いことも重要です。子どもが小さい場合には、小児科や歯科などが通いやすいところにあると安心ですね。車を使う場合は駐車場から主要道路へのアクセスはどうかもチェックしましょう。

毎日生活する場所だからこそ、立地を妥協してしまうと負担が大きくなり後悔につながりやすいです。ぜひ、入念なチェックをしておきましょう。

生活しやすい間取りかどうかを慎重にチェック

注文住宅と違って契約後に間取りを変えることはできません。家族構成や生活スタイルに合った間取りかどうかを吟味することが重要です。

建売住宅は契約前にどんな間取りかを事前にチェックできるので、実際に住んだときの生活動線や収納スペースの使い勝手も確認しましょう。

周辺環境を入念にチェック

周辺環境は生活の質を大きく左右します。特に子育て中の家庭では、学校や公園の近さも要チェックです。

騒音や治安、近隣住民との関係など、住んでから気になる点を事前に確認しておくと失敗を防げます。特に、夜間の道路状況（街灯はあるか、治安はどうか等）は見落としがちです。昼間には見えてこなかった問題点が出てきて後悔するケースも多いので、夜もしっかりチェックしましょう。

また、災害時に危険性が高い土地でないかも見ておきたいところですね。揺れやすい土地ではないか、水深はどの程度かなどを、自治体が公表しているハザードマップなどを活用して慎重に確認することが大切です。

耐震性など品質に問題がないかを確認

日本はいつ大地震が起こってもおかしくない状況ですので、万が一の際に住宅の耐震性が不十分だと、連続した大地震の際には倒壊など大きな被害や命の危険につながる可能性があります。

そのため、購入前に住宅が現行の耐震基準を満たしているか確認することが大切です。

チェック方法としては、まず「住宅性能評価書」を確認しましょう。「住宅性能評価書」には、施工中に実施された現場検査の評価が記されています。耐震等級もこの書類に記入されているので必ずチェックしましょう。耐震等級が1～3のうち、特に等級2以上であれば、基準を上回る耐震性を持つことを示しています。

耐震等級	概要	想定される耐震性
等級1	現行の建築基準法を満たす最低限の耐震性。	震度6～7でも倒壊しない。地震後は大規模な修繕が必要になる。
等級2	等級1の1.25倍の耐震性を持つ建物。学校や病院などの避難所として利用される建物で求められる基準。	震度6～7でも倒壊しない。中規模地震での損傷もさらに軽減されるので、一部分の補修で済む可能性が高い。
等級3	等級1の1.5倍の耐震性を持つ最も高い基準。消防署や警察署など防災拠点の建物で採用されることが多い。	震度6～7でも倒壊や損傷がほとんどない。防災拠点として機能を維持できるレベルの耐震性を確保。

ただし、「住宅性能評価書」は取得が任意であることもあり、等級がわからないこともあります。自費になりますが、評価機関に申請すれば耐震等級も調べてくれるので知っておくと良いでしょう。
参照：指定認定機関及び指定性能評価機関について｜国土交通省

販売しているハウスメーカー・施工業者をよく調べてから判断する

販売会社や施工業者の評判や過去の施工実績を調べ、信頼できる業者かどうかを見極めましょう。

口コミサイトや公式サイトを事前に確認しておきましょう。信頼できる施工業者であれば、適切な施工によって耐震性や断熱性など基本性能がしっかり確保された住宅を提供してくれます。一方、評判の悪い業者の場合、手抜き工事や品質の低い材料の使用が原因でトラブルに繋がることも。

また、販売会社のアフターサービスについても確認しておきましょう。住宅の性能に自信があれば、初期保証10年以上はついていることが多いです。アフターサービスの窓口のわかりやすさも重要です。建てた後もしっかりサポートしてくれるハウスメーカーを選ぶことで、安心して長く住むことができますよ。

マイホームを安く購入する方法とは

ここまで解説してきた建売住宅のメリット・デメリットを見て、「やっぱり注文住宅で建てたい」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

住宅の性能や住んでからの満足度が高いのは、やはり注文住宅の方に分があります。
ですので、予算が許す限りは注文住宅で建てることをおすすめしています。

実は、注文住宅をお得に建てる時には正しい順番があります。順番を間違えると100万円近く損をすることも。

最も重要なことは、建てたいハウスメーカーの見当がついたら、まず「紹介を受ける」ことです。そのハウスメーカーで建てた施主やハウスメーカーに勤めている知人などから紹介を受けてから問い合わせることで、紹介割引が適用されます。

紹介割引は本体価格の3％前後が割引されるので、90万円～150万円割引されます。

ただし、紹介を受ける前に住宅展示場などを訪れてしまうと紹介割引が適用されなくなってしまいますので注意してくださいね。紹介割引は割引額が大きいので、注文住宅を建てる時にはぜひ利用しましょう。

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建売住宅で建てると後悔するって本当？まとめ

この記事では、建売住宅で後悔するポイントや注意点について詳しく解説してきました。

後悔のない理想の住まいを実現するためには、そのハウスメーカーの強みや弱みを知ることが重要です。

また、一社だけではなく複数のハウスメーカーを比較するとより良い選択肢が見つかるでしょう。一括資料請求サービスを使えば各ハウスメーカーの情報を簡単に集めることができます。ぜひ積極的に利用して、理想のハウスメーカーを見つけてくださいね。