老後に備えて平屋を建てるなら？暮らしやすい間取りのポイント10選

 年齢を重ねると、階段の上り下りが大変になったり、家の維持が負担になったりしますよね。
「このまま2階建てに住み続けるのは大変かも……」と感じている方も多いのではないでしょうか。

平屋の暮らしが、今改めて注目を集めています。
すべての生活空間が1階にまとまっているため、移動がスムーズ。
家事負担も減り、老後も快適に暮らせます。

 近年はデザイン性の高い平屋も増え、若い世代からも人気が高まっています。

しかし、間取りを誤ると「動線が悪くて暮らしにくい……」「収納が足りない……」と後悔することも。

老後を快適に過ごすためには、次の4つの視点を意識することが大切です。

また、老後の平屋づくりについて、こんな疑問をお持ちではありませんか？

本記事では、「老後の平屋を快適に！間取りのポイント10選」を解説します！

これからの暮らしをより快適にするために、理想の平屋づくりのヒントをぜひチェックしてください。

今、平屋が選ばれている3つの理由

高齢者夫婦や共働き世帯など、多くの人が平屋を検討しています。

平屋が選ばれる理由は、大きく3つあります。

それぞれ詳しく説明します。

1.時代に合った住まい方の実現

平屋は、時代に合った住まいとして注目されています。

核家族化や少子高齢化が進み、広すぎる家よりも、コンパクトで管理しやすく、バリアフリーな住まいが求められているためです。令和4年国勢調査によると、1世帯あたりの平均人数は2.21人となっています。

特に高齢者や夫婦二人暮らしには、安心して暮らせる住まいです。

2.家事と生活がラクになる

平屋は、家事や日常生活の負担を減らすことができます。

すべての生活空間が1階にあることで、家事動線が短く、効率よく家事ができるからです。

家事の負担を減らしたい人にとって、平屋のシンプルな動線とコンパクトな間取りが魅力です。

3.構造上の強さと自由な空間づくり

平屋は、建物の重心が低く上階からの荷重がないため、地震や強風に強く、安全な住まいです。
上下階の制約がないため、吹き抜けや勾配天井を取り入れ、開放的な空間をつくれます。

ただし、平屋はすべての生活空間が1階にあるため、水害リスクの低い土地選びや、必要に応じた嵩上げなどの対策が重要です。

ハザードマップで立地を確認し、土地の特性に合わせた建築プランを検討しましょう。

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老後の平屋を快適に！間取りのポイント10選

老後の暮らしやすさは、間取りの工夫次第で大きく変わります。

特に、次の4つの視点を考慮することが重要です。

4つの視点をもとに、間取りのポイントを整理しました。

10のポイントを意識すれば、快適で安心な平屋の暮らしが叶います。

次に、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。

1.廊下を最小限に｜移動をスムーズに

平屋は2階建てと異なり床面積を広げにくいため、廊下を最小限にすることが重要です。

敷地面積を有効活用しながら、移動しやすい動線とプライバシーを守るバランスが求められます。

具体例を紹介します。

LDKと個室の間に適度な廊下スペースを設けることで音を緩和し、必要に応じて扉を設置するのがおすすめです。

2.段差をなくす｜転倒防止＆介護がしやすい

老後はわずかな段差が転倒の原因となるため、できる限りフラットな設計を心がけることが大切です。

移動しやすい環境を整え、安全な住まいを作りましょう。

具体例を紹介します。

段差をなくし、十分な移動スペースを確保すれば、将来の身体変化にも対応しやすくなります。

3.トイレの配置を工夫｜夜間の移動負担を軽減

老後は夜間のトイレ利用が増えるため、適切な配置が重要です。
寝室に近づけつつ、音やニオイ対策として少し距離を取ると快適に使えます。

 主寝室側と玄関側の2カ所に配置するのがおすすめです。

トイレの数・位置・広さの適切な計画を立てることで、老後も安心して暮らせます。

4.採光・風通しを確保｜明るく心地よい住まい

平屋は構造上、建物の中心部に光が届きにくく、空気の流れが滞りやすくなるため、採光と風通しを意識した設計が重要です。

自然光と風を効果的に取り入れることで、快適な住環境を実現できます。

具体例を紹介します。

適切な採光と風通しを確保することで、明るく心地よい住まいをつくることができます。

5.家事動線を最適化｜移動の負担を減らす

老後は体力の低下により家事の負担が大きくなりやすいため、家事動線を最適化することが重要です。

家事の負担を軽減するには、無駄な移動を減らす必要があります。

具体例を紹介します。

家事動線を工夫することで、将来にわたって快適で負担の少ない住まいを実現できます。

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6.趣味を楽しめる間取り｜老後の暮らしを豊かに

老後は自宅で過ごす時間が長くなるため、趣味に没頭できる空間をつくることで、毎日がより充実します。

心と体の健康維持にもつながり、生活に楽しみが増えるでしょう。

具体例を紹介します。

自分の時間を大切にできる空間があれば、毎日の暮らしにゆとりが生まれます。

7.必要な収納を確保｜掃除・管理を楽に

 収納計画が適切でないと日常生活が不便になるため、使いやすい収納スペースが必要です。

特に老後は片付けや掃除の負担を減らす工夫が求められます。

具体例を紹介します。

適切な収納計画を取り入れることで、片付けがしやすくなり、生活空間をすっきりと保てます。

8.来客スペースを用意｜孫や子どもが泊まれる

老後も家族や親戚との交流を楽しむために、来客時に対応できる空間を確保することが大切です。

孫の宿泊や子どもの帰省など、家族が集まる機会に備えておくと安心です。
プライバシーと利便性のバランスを考慮した設計が求められます。

具体例を紹介します。

来客時も気兼ねなく過ごせる間取りにすることで、安心してくつろげる環境を整えられます。

9.防犯設計を工夫｜窓と外構の安全対策

平屋はすべての開口部が地上階にあるため、しっかりとした防犯対策が必要です。

侵入リスクを減らしつつ、採光を損なわない設計が求められます。

具体例を紹介します。

防犯対策を意識した間取りにすることで、一人暮らしになった時も安全に過ごせます。

10.天井を高くして空間を広く｜平屋の圧迫感を防ぐ

老後やバリアフリーに対応した平屋では、天井高の工夫が欠かせません。

トイレや洗面所などのスペースを広く取る必要があるほか、手すりの設置や家具の配置によっては室内が狭く感じられるからです。

具体例を紹介します。

天井高を工夫することで、限られた床面積でも開放感のあるおしゃれな空間を演出できます。

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老後の平屋に適した坪数の目安

平屋の広さは、毎日の生活や維持のしやすさに直結するため、適切な広さを選ぶことが重要となります。

広すぎると掃除や管理の手間が増え、建築費や維持費の負担が大きくなるからです。
一方、狭すぎると収納が不足し、生活動線が悪くなります。

国土交通省の住生活基本計画では、豊かな住生活のために必要な住居面積の目安を次のように示しています。

2人以上の世帯：25㎡ × 世帯人数 + 25㎡

世帯人数別の平屋の坪数目安は次の通りです。

人数・家族構成	平屋の坪数の目安
二人暮らし	約23坪
三人暮らし	約30坪
四人暮らし	約38坪
一人暮らし	約15坪

老後の夫婦二人暮らしでは、来客やバリアフリー対策などを考慮し、3人暮らしに近い27〜28坪程度が、余裕を持って暮らせる広さの目安です。

実例で見る！老後に暮らしやすい平屋の間取り4選

老後の生活を見据えた平屋選びでは、適切な広さと間取りが快適な暮らしの鍵となります。

なぜなら、平屋は面積によって生活スタイルが大きく変わり、日常の動線や収納力、介護のしやすさ等に直接影響するからです。
自分たちの暮らしに合った広さと間取りを選ぶことで、長期的な住みやすさが確保できます。

ただし、先ほどの10のポイントを完璧に取り入れるのは難しいため、優先順位を慎重に決めるべきです。

夫婦二人暮らしの平屋は、20坪台のコンパクトタイプと30坪台のゆとりタイプに大きく分かれます。

今回は、ハウスメーカーの実例4選をもとに、広さごとの特徴を紹介します。

各実例の特徴を詳しく見ていきましょう。

実例①：クレバリーホーム 24.95坪の平屋｜コンパクトで機能的

延床面積	82.50㎡（24.95坪） 1階=82.50㎡（24.95坪）
敷地面積	163.08㎡（49.33坪）
間取り	1LDK
家族構成	夫婦
住宅会社	クレバリーホーム

夫婦二人暮らしに最適な、開放感のある機能的な間取りです。

25坪未満の限られた面積でありながら、天井高や窓の工夫で圧迫感を解消し、水回りと収納の使い勝手にもこだわっているからです。

平屋の課題である明るさと収納不足を巧みに解決しています。

主な特徴は下記の通りです。

コンパクトながら、明るさと収納、家事効率を重視した使い勝手の良い間取りとなっています。

実例②：パナソニックホームズ 28坪の平屋｜趣味室を確保

延床面積	93.35㎡（28.23坪）
敷地面積	245.00㎡（74.11坪）
間取り	3LDK
家族構成	夫婦＋子ども1人
住宅会社	パナソニックホームズ

家族3人の暮らしと趣味の時間を両立した、将来を見据えた平屋です。

28坪という広さを活かし、趣味スペースと家族との時間を両立できる間取りになっているからです。

マンションにはない自由度の高いプランやデザインが実現でき、老後の暮らしも考慮されています。

主な特徴は以下の通りです。

階段のない平屋ならではの家事のしやすさと、趣味を楽しむ専用スペースを確保した、バランスの良い住まいとなっています。

実例③：ヤマダホームズ 34.5坪の平屋｜介護に配慮

延床面積	約114.06㎡（34.5坪）
間取り	5K以上
家族構成	夫婦＋子ども二人＋母
住宅会社	ヤマダホームズ

将来の介護を見据えた二世帯住宅として、バリアフリー設計を徹底した平屋です。

以前の住まいでの経験から、段差による転倒リスクと将来の車いす対応を重視しているためです。

34.5坪という広さを活かして、家族それぞれの快適な暮らしと安全性を両立しています。

主な特徴は以下の通りです。

現在の二世帯暮らしから将来の介護まで、長期的な視点で設計された住まいとなっています。

実例④：パナソニックホームズ 39.21坪の平屋｜ゆとりの空間設計

延床面積	129.62㎡（39.21坪）
敷地面積	415.27㎡（125.60坪）
間取り	2LDK
家族構成	夫婦
住宅会社	パナソニックホームズ

夫婦二人の暮らしを基本に、大人数での集まりにも対応できる余裕のある平屋です。

お子さまの独立を機に、将来を見据えたバリアフリー設計と、家族が集まる際の快適性を重視しているためです。

39坪という広さを活かして、広々とした空間と機能性を両立した住まいを実現しています。

主な特徴は以下の通りです。

現在の快適な暮らしと将来の安全性を両立した、ゆとりのある住まいとなっています。

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平屋の価格相場

平屋の価格相場は、2階建てと比べて1.1倍ほど建築費が高くなる傾向があります。

主な理由は次の3つです。

次に、全国の住宅価格の平均を確認しましょう。

上記のデータには平屋も含まれていますが、日本では2階建てが主流のため、実際には2階建ての価格が反映されている割合が高いと考えられます。

30坪の平屋を建てる場合で試算した結果は下記の通りです。

平屋は2階建てより建築費が高くなりやすいため、慎重な予算計画が必要です。

特に、建築費だけでなく土地代や諸費用も考慮した総合的な資金計画を立てましょう。

平屋のコストを抑える方法 8選

 平屋は基礎面積が大きくなりがちで、一般的に坪単価が高くなるため、さまざまな面でコストダウンの工夫が必要です。

平屋のコストを抑えるには、建物の形や設備、施工会社の選定が欠かせません。

コストカットが難しい場合は、ほぼ1階完結型の2階建ても視野に入れながら、最適な住まいを検討しましょう。

老後の平屋づくりに関するQ＆A

老後の平屋づくりに関する質問をまとめました。

老後に建てるならハウスメーカーと工務店のどちらがいい？

結論、安心を重視するならハウスメーカー、柔軟性やコストを重視するなら工務店が向いています。

	ハウスメーカー	工務店
メリット	品質安定、メンテナンス充実	自由度が高い、コストを抑えやすい
デメリット	費用が高い、要望に対応しにくい	品質にばらつき、アフター対応に不安

建て替えかリフォームか？

結論、平屋にするなら建て替えが基本ですが、減築リフォームも可能です。
ただし、補強工事や屋根の修正が必要になり、費用が想定以上にかかることがあるため注意です。

	平屋への建て替え	減築リフォーム
メリット	耐震・断熱性能が向上	一般的に建て替えよりコストを抑えられる
デメリット	費用が高い(約3,000万～)	補強工事や屋根の修正が必要で、費用がかさむことも

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まとめ｜老後の平屋暮らしを充実させるために

本記事では、「老後の平屋を快適に！間取りのポイント10選」を解説しました。
老後の暮らしやすさは、間取りの工夫次第で大きく変わります。

特に、以下の4つの視点を意識することが大切です。

4つの視点をもとに、押さえておきたい間取りのポイント10選は次の通りです。

4つの視点と10の間取りポイントを意識することで、老後も快適に暮らせる平屋が実現できます。

 また、ハウスメーカーごとに異なる設計や特徴を比較することも重要です。

 理想の平屋を建てるために、一括資料請求を活用し、自分に合った間取りを見つけてください！