悩んでいる人納戸って収納として便利そうだけど、デメリットはないの?
納戸(なんど)は、クローゼットよりも広く、多目的に使える収納空間として注目されています。
一方で、採光や換気といった建築基準法上の考え方を理解しないまま納戸を取り入れると、思ったより使いにくく、「こんなはずじゃなかった」と後悔するケースも少なくありません。



しかし、あらかじめ納戸の特徴やデメリットを理解し、設計段階でしっかり対策しておけば、暮らしを快適に支える便利な空間にできますよ。
この記事では、建築士で元ハウスメーカー社員の筆者ぽりんきが、納戸のメリット・デメリット、コスト面の知識までをわかりやすく解説します。
「自分たちの暮らしに納戸は本当に必要か」を見極めるための材料として、間取りで迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
- 納戸のデメリット
- 納戸のメリット
- 納戸のコスト面の知識


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納戸ってどんな空間?


居室として認められるには、建築基準法で次のような基準があります。
- 換気:床面積に対して20分の1以上の開口部(窓など)が必要
- 採光:床面積に対して7分の1以上の窓が必要



そのため納戸は、寝室などの長時間過ごす空間ではなく、収納や書斎といった補助的な用途が前提になります。
窓がない、または小さい部屋は、広さがあっても納戸扱い(非居室)となる点に注意が必要です。
また、間取り図では「納戸」と明記されず、NやS/SR(サービスルーム)と表記されることもあります。
呼び方が違っても、建築基準法上はいずれも居室として扱われません。
なお、注文住宅で人気のウォークインクローゼットも同様に、建築基準法上は非居室に分類されます。
ただし、納戸が収納物の種類を限定しないのに対し、ウォークインクローゼットは衣類収納を前提とした空間である点が大きな違いです。


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納戸をつくる前に知っておきたい4つのデメリット


納戸は上手に使えば便利な空間ですが、設計段階で配慮しないと、不便さを感じやすい空間でもあります。
ここでは、納戸でよくあるデメリットを解説していきます。
1_湿気がこもりやすく、カビやニオイの原因になりやすい
納戸は居室ではないため、窓が小さい、または設けられていないことも多く、湿気がこもりやすい空間です。
納戸には、事前に湿気対策を取り入れておくと安心です。
- 換気扇を設置する
- 除湿機やサーキュレーターを活用する
- 荷物を詰め込みすぎない
- 定期的に扉を開けて空気を動かす



少し意識するだけでも、納戸は使いやすい収納スペースになります。
2_「部屋」としてカウントされない
納戸は、採光や換気の基準を満たさないため、建築基準法上は「居室」として扱われない空間です。
そのため、見た目が個室でも部屋数にはカウントされず、3LDK+N(S)などの表記になります。



子ども部屋の数や将来の部屋割りを前提に間取りを考える場合は、この制限を理解したうえで計画する必要があります。
3_設備計画によって使い勝手に差が出やすい
収納前提で計画されるため、居室では当たり前の設備が省かれがちになります。
たとえば、コンセントや照明、換気設備が最低限しか設けられないケースも少なくありません。
こうした不便さは、設計段階である程度防げます。
将来の使い方を少し想定し、必要最低限のコンセント・照明・換気を整えておくだけで、納戸の使い勝手は大きく変わります。
4_デッドスペース化するリスクがある
「とりあえず収納が欲しいから」と目的を決めずにつくると、物を置くだけのたまり場に。
一度しまった物を取り出さなくなり、何が入っているのかわからなくなることもあります。



生活動線から外れ、通路が狭い・棚が深すぎるなどの間取りでは、出し入れが面倒になり、次第に使われなくなります。
- 使う頻度を意識した配置にする
- 人が無理なく動ける広さを確保する
「何をしまうか」「どれくらいの頻度で使うか」を事前に決めておくだけで、納戸はデッドスペースではなく、暮らしを支える実用的な収納になります。


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納戸をつくる5つのメリット


納戸は、収納量を増やしながら居室をすっきり保ちやすい空間です。
家族の暮らし方に合わせて柔軟に使える点も、大きな魅力といえます。
ここでは、納戸をつくると得られる主なメリットを5つご紹介します。
1_居室をすっきり保てる
リビングの近くに2畳分くらいの納戸を設けました。(リビングには奥行きの浅い壁面収納が別にあります)
季節家電も一番良く使うのはリビングなので、出し入れに便利です。
ほかには、大きなごみ箱やダンボール、古新聞類、掃除機、長尺のラグ、カーペット、ちゃぶ台、室内干し器など、かさばるものは全部ここへ。重宝してます。
引用元:マンションコミュニティ
扇風機やヒーターなどの季節家電、来客用の布団、アウトドア用品やスーツケースなどは、収納場所に困りやすい代表例です。



納戸に集約してしまえば、居室の収納は日常的に使う物だけになり、出し入れもスムーズになります。
2_家族の使い方に合わせて活用できる
建築基準法上は居室ではありませんが、その分、寝室や子ども部屋のような用途に縛られず、補助的な空間として自由に使えるのが特徴です。長時間の生活を前提としない用途に向いています。
たとえば、次のような使い方があります。
- 書斎
- 趣味部屋
- シアタールーム
- 子どもの遊び場
窓が少ないため外からの視線や光の影響を受けにくく、落ち着いた環境をつくりやすいのもポイントです。



納戸は、集中したい作業や趣味の空間としても相性の良い場所といえるでしょう。
3_採光を必要としない物の保管に適している
納戸は窓がない、または小さいため紫外線の影響を受けにくく、大切な物を劣化させにくい環境といえます。
- お気に入りの洋服、革製のバッグや靴
- 卒業アルバムや家族写真、思い出の手紙などの紙類
- 常温保存の食品や備蓄水
- 楽器やコレクション、美術品など光に弱い趣味の品
換気や除湿を意識すれば、住まいの中でも特に安心して使える収納スペースになるでしょう。
4_家事や生活の動きがスムーズになる
単に収納を増やすのではなく、「どこで使う物か」を意識して計画すると、日々の負担を減らしやすくなります。
- 洗面脱衣所・ランドリー近く
洗う・干す・しまうを1か所で完結できる - 玄関付近
ベビーカーやアウトドア用品、コート類をまとめて収納でき、外出・帰宅がスムーズになる - 廊下などの共有スペース
家族全員が使いやすく、階ごとに収納を分ければ上下移動を減らせる - キッチン周辺
パントリーとつなげると、買い物後の片付けがラクになる
納戸は、住まいの中で物や人の動きをつなぐ「中継地点」の役割を果たします。
家事が発生する場所や生活動線に合わせて配置すると家全体の流れが整い、毎日の暮らしにゆとりが生まれるでしょう。
5_居室を増やさず、建築コストを抑えやすい
居室が増えるほど採光・換気基準を満たす窓や内装設備が必要になり、施工の手間も増えるため、建設コストは上がりやすくなります。
一方で、納戸は建築基準法上「居室」には該当しません。
こうした点から、同じ延床面積でも、無理のない範囲でコストを調整しやすい間取りにつながります。


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納戸の費用と固定資産税


納戸を計画する際は、使い勝手だけでなく、設置費用や税制面の影響も理解したうえで判断が大切です。
ここでは、納戸にかかる費用の目安と、固定資産税の基本的な考え方、将来を見据えたコスト判断について解説します。
納戸の設置費用の目安
この金額は、建物全体の坪単価に含まれる部分に加え、納戸特有の条件や追加工事によって上下します。
注文住宅における納戸の費用目安
| 納戸のタイプ | 費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| シンプルな小規模納戸 | 約10万〜30万円 | 区切られた空間のみ。棚は最小限 |
| 棚付きの一般的な納戸 | 約30万〜50万円 | 可動棚や簡易的な収納を設置 |
| 大容量・形状が特殊な納戸 | 約50万〜100万円 | 階段下・小屋裏など施工手間が多い |
表記の金額は、棚の設置や特殊な形状による追加工事費の目安です。
広さや建物構造、工務店の仕様によって差が出ます。
坪単価以外で費用に影響する主な要素
坪単価以外にも、次のような要素が納戸の費用に影響します。
- 構造面の調整
2階以上に設ける場合、重い荷物を想定して床を強くする必要があり、追加費用がかかることがある - 内部の造作内容
棚の数や素材、壁一面を使う収納にするかどうかで金額は大きく変わる - 設備の追加
照明・コンセント・換気扇を増やすと電気工事費が発生
将来に備えてエアコン用の配管を入れる場合も、その分コストが上がる
収納専用として割り切ればコストは抑えやすく、使い勝手まで求めればその分だけ予算も必要になります。
小屋裏やロフトを活用した納戸の場合、構造や断熱、はしご・階段の設置が必要になるため、一般的な納戸より初期費用は高めになる傾向があります。
注文住宅だからこそ、使い方を明確にしたうえで、無理のない範囲での計画が大切です。
納戸と固定資産税の基本的な考え方


ただし節税目的ではなく、「どのように評価される空間か」を知ることが大切です。
納戸は居室ではない扱いとなるため、一般的な居室より評価が低くなるケースも。
居室面積を抑えながら収納を確保できれば、住宅全体の評価額に影響することもあります。
小屋裏収納やロフト型の納戸は特にわかりやすい例です。
天井高を1.4m以下にすると、延床面積や階数に含まれない扱いとなる場合があります。敷地条件が厳しい土地でも、収納を確保しやすい点が特徴です。
ただし、評価方法は自治体ごとに異なるため、税制メリットを前提にしすぎないようにしましょう。
納戸の将来の使い方とコスト判断





想定がないままつくると後から手直しが必要になり、余計な費用がかかります。
新築時と後付けで費用差が出やすい設備
新築時であれば比較的少ない負担で済む工事も、完成後に行うと割高になりがちです。
- コンセント・照明・LAN配線などの電気設備
- 換気扇やエアコン用配管の新設
※壁や天井を壊す工事が必要になるケースもあります。
将来使う可能性が少しでもあるなら、新築時に最低限の準備をしておくと安心です。
将来の用途変更で起こりやすい問題
将来、納戸を別の用途に使おうとすると、次のような問題が起こりやすくなります。
- 書斎・趣味部屋
電源や通信環境が不足し、使いにくい - 子ども部屋
採光条件を満たさず、居室として使えない
※窓の後付けは高額、または構造上できない場合も
こうした点をあらかじめ理解しておくと、必要以上の出費や後悔を防げます。
将来の出費を抑えるための納戸の考え方
納戸は、将来の使い方に合わせて調整できるよう、最初から固定しすぎない計画がポイントです。
- 固定棚は最小限にし、可動棚を採用する
- 照明・換気・LANは配線や下地だけ先行する
- 将来使う設備は、完全な後付けにしない
目先のコストだけで判断せず、いつか使うかもしれない視点で備えておくと、将来の大きな出費を防ぎやすくなります。
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納戸が向いている人・向いていない人の特徴


納戸は、すべての人にとって必要な空間とは限りません。
ここでは、暮らし方や収納量の違いから「納戸が向いている人・向いていない人」の特徴を整理します。
納戸が向いている人
次のような考え方や暮らし方の場合、納戸のある間取りが向いています。
- 収納量をしっかり確保したい人
季節家電や衣類、思い出の品など、かさばる物が多い家庭に向いています。
生活空間に物があふれにくく、出し入れもしやすくなります。 - 居室をすっきり、広く使いたい人
収納を納戸に集約すると、リビングや寝室をシンプルに保ちやすくなります。 - 家事動線を重視したい人
洗面脱衣所近くや、キッチン横など、配置を工夫すると家事の移動を減らせます。 - 光や日焼けを避けて保管したい人
衣類や本、アルバム、備蓄品など、直射日光を避けたい物の保管に適しています。
納戸が向いていない人
一方で、次のような場合は納戸をつくらない方が満足度が高いケースもあります。
- 居室の広さや開放感を最優先したい人
床面積が限られる場合、LDKや個室が狭くなりやすい点がデメリットです。 - 収納量がそれほど必要ない人
物が少ない家庭では、納戸を持て余す可能性があります。 - 収納計画や動線を考えるのが苦手な人
目的を決めずにつくると、使われないデッドスペースになりがちです。



納戸は「あると便利」な空間ですが、使い方や暮らし方に合っていなければ活かしきれません。
収納量や動線、将来の暮らしを想像しながら、自分に合うかどうかを考えて計画しましょう。
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納戸に関するよくある質問(Q&A)





納戸に関するよくある質問に、Q&A形式でお答えします。
- 納戸は部屋として使えますか?
-
用途によっては使えますが、居室として使う場合は注意が必要です。
収納や家事スペース、短時間の作業には問題ありませんが、長時間過ごす居室として使う場合は、照明・換気・空調などに配慮する必要があります。
なお、居室として正式に使うには、建築基準法上の採光条件を満たす必要があります。
- 間取り図の「N」や「S」は何を意味しますか?
-
どちらも納戸を表す表記です。
- N:納戸
- S/SR:サービスルーム
表記が違っても意味はほぼ同じなので、図面を見るときは「居室ではない収納的な空間」と理解しておきましょう。
- 納戸をつくると固定資産税は安くなりますか?
-
安くなる可能性はありますが、必ずではありません。
納戸は居室より評価が低くなるケースもありますが、最終的な判断は自治体ごとに異なります。
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まとめ|納戸で後悔しないために


この記事では、納戸のメリット・デメリットやコスト面について、わかりやすく解説しました。
後悔を防ぐために、ポイントをあらためて整理します。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 居室をすっきり保てる 家族の使い方に合わせて活用できる 採光を必要としない物の保管に適している 家事や生活の動きがスムーズになる 居室を増やさず、建築コストを抑えやすい | 湿気がこもりやすく、カビやニオイの原因になりやすい 「部屋」としてカウントされない 設備計画によって使い勝手に差が出やすい デッドスペース化するリスクがある |
今の使い方だけでなく、将来の暮らしを見据えて設備や間取りを考えることが、納戸で後悔しないポイントです。
家づくりは下調べをせずに進めると完成後に「え?もっと良い会社あったじゃん!調べておけばよかった〜!」と後悔する人が続出します。
そのため、まずやるべきは
とはいえ、一つずつ調べていくのも大変なので、最近は、一度にカタログが取り寄せできる「一括資料請求サイト」が人気です。
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