【注意】カリフォルニアスタイルの家（サーファーズハウス）は後悔する？メリット・デメリットを建築士が解説

太陽が照りつけ、心地よい潮風が吹き抜けるカリフォルニア。そんな開放的なライフスタイルを象徴するカリフォルニアスタイルの家は、おしゃれで憧れの的ですよね。しかし、実際に建てて暮らすとなると、不安を感じる方は少なくありません。

「かっこいいけど、日本の気候に合うのかな？」
「メンテナンスが大変そう」
「デザイン重視で住みにくかったらどうしよう」
こうした心配が頭をよぎることもあるでしょう。

そこでこの記事では、建築士で元ハウスメーカー社員の筆者ぽりんきが、カリフォルニアスタイルの家で後悔する理由やデメリットを徹底解説します。一方で、その魅力やメリット、そして後悔しないための対策についても詳しくご紹介。これからカリフォルニアスタイルの家づくりを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

建築デザインの憧れだけで突き進むのではなく、住み心地やコスト、立地条件なども冷静に見つめ直すことで理想の住まいに一歩近づけます。「かっこよさ」と「住みやすさ」を両立させた、納得のいく家づくりを目指しましょう。

カリフォルニアスタイルの家「サーファーズハウス」とは？

カリフォルニアスタイルの家とは、アメリカ西海岸、特にカリフォルニア州の温暖な気候やライフスタイルを反映したデザインの住宅を指します。

ニューポートビーチやサンディエゴ周辺ではボートやサーフィン文化が根付いており、立ち並ぶ住宅も「白い家・ウッドデッキ（カバードポーチ）・パームツリー」とリゾート感あふれるスタイルが定番。このことから、カリフォルニアスタイルの家は「サーファーズハウス」とも呼ばれています。

大開口で開放的な明るい空間や自然素材を活用したビンテージ風な内装、そして屋内外のつながりを意識した設計で、自然光や風を取り込む工夫が随所に見られる点が特徴。外観は、外壁にラップサイディングを施したり、カバードポーチを設けるスタイルが一般的です。

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カリフォルニアスタイルの家で後悔した理由とデメリット9選

おしゃれで目を引くカリフォルニアスタイルの家ですが、いざ住んでみると「思っていたのと違った」「もう少し考えておけばよかった」と感じる人もいます。

ここでは、よくある後悔ポイントを具体的に紹介しながら、デメリットとしてどのような点に注意すべきかを解説します。

ひとつずつ見ていきましょう。

1_外からの視線が気になる

カリフォルニアスタイルの家は、オープンな外構や大きな窓など「開放感」を大切にするデザインが特徴です。家の周りもブロック塀などではなく、フェンスで覆うスタイルが一般的。

とくに通りに面したリビングや大きな窓は、カーテンを閉めっぱなしになってしまい、「せっかくの開放感が活かせない」と後悔する人も少なくありません。

2_日本の気候に合わず、夏は暑く冬は寒い

窓は、住宅の中でも特に熱が出入りしやすい場所です。
大きな窓を多用するカリフォルニアスタイルでは、開放感の反面、冷暖房効率が落ちやすいというデメリットに注意が必要です。

大開口を特徴とした家づくりは、日本の高温多湿の夏や厳しい寒さの冬には向いていません。特に断熱性や気密性が不十分だと、夏は蒸し暑く、冬は底冷えするような住まいになってしまうことがあります。

3_カバードポーチにまつわる問題が多い

カリフォルニアスタイルを象徴するカバードポーチ（屋根付きテラス）ですが、設計や使い方をよく考えないと、後悔する原因になりかねません。

デザイン性は抜群でも、活用のイメージが曖昧なまま設置すると「デッドスペース」と化してしまうことも。設置前に、「何に使いたいのか」「どれくらいの広さが必要か」「日当たりや風通しはどうか」など、実際に住んでからの視点で検討することが重要です。

 カバードポーチの建ぺい率については、次で詳しく解説します。

4_建ぺい率で思わぬ制限がかかる

カバードポーチや深い軒、大きく張り出した屋根はカリフォルニアスタイルの家に欠かせない要素です。
しかし、これらは建ぺい率（敷地面積に対する建築面積の割合）の計算に含まれる可能性があるため、注意が必要です。

建ぺい率に含まれる＝その分、建物本体を小さくしなければならない、ということ。

その結果、「リビングが思ったより狭くなった」「2階にトイレが置けなかった」「将来の子ども部屋が確保できない」といった間取りの制限が発生し、後悔につながることも。

特に敷地の狭い都市部では、外観デザインと実用性のバランスをよく考えることが重要です。建築士や設計担当者に、カバードポーチが建ぺい率に含まれるかどうかを事前に確認しておくと安心です。

5_建築コストが予想以上にかかる

カリフォルニアスタイルの家は、ラップサイディングや木製のカバードポーチ、輸入建材などを使用することが多く、標準的な住宅より建築費用が高くなる傾向があります。

さらに、外構やインテリアにもこだわり始めるとトータルコストが膨らみやすく、「ここまで予算をかけるつもりじゃなかった」と感じる人も少なくありません。

6_外壁やカバードポーチのメンテナンスが大変

白い外壁や木製のカバードポーチなど、カリフォルニアスタイルでよく用いられる素材は汚れが目立ちやすく、定期的なメンテナンスが必要となります。

きれいな外観を保つには、定期的なメンテナンスや清掃が必要であり、手間と費用の両方を覚悟しておく必要があります。

7_リビングが思ったより暗い

カリフォルニアスタイルの設計では、屋根の深いポーチや大きな庇が採用されることが多いです。これにより、外観に立体感やリゾート感が生まれます。

一方で、日差しが遮られて室内が暗くなることも多く、採光を十分に考慮していなかった結果、居心地の悪い空間になってしまったというケースもあります。

8_近隣の家と調和せず浮いてしまう

周囲が和風やシンプルモダンな住宅ばかりの地域で、自宅だけがカリフォルニアスタイルだと、景観から浮いてしまい違和感を覚えることもあります。

9_内装に合ったインテリアを探すのが大変

開放的な空間に似合うインテリアを揃えるのは、見た目以上に難しいと感じる方も多いようです。

ラフでナチュラルな西海岸テイストに合わせるためには、家具や雑貨にも一貫した雰囲気が求められますが、国内で手に入るアイテムの多くはナチュラル系や北欧風が主流で、うまくマッチしないことも。

「いい感じのソファが見つからない」「雰囲気を壊さない照明がなかなか見つからない」など、統一感を出すためのアイテム選びに苦労するという声が多く聞かれます。

こうした後悔を避けるためには、事前の対策が欠かせません。詳しい対策方法は本記事の「カリフォルニアスタイルの家で後悔しないための6つの対策」も併せて参考にしてください。

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カリフォルニアスタイルの家を建てる6つのメリット

後悔の声がある一方で、カリフォルニアスタイルの家には他の住宅にはない魅力がたくさん詰まっています。外観のおしゃれさはもちろん、暮らし方そのものを豊かにしてくれる間取りや空間設計も大きな魅力です。

ここでは、カリフォルニアスタイルの家を選ぶメリットを整理して紹介します。

1_外観が豪華でおしゃれ

白を基調にした外壁やラップサイディング、カバードポーチなど、カリフォルニアスタイルならではのデザインは、他の住宅と一線を画すおしゃれさがあります。

2_海での趣味を楽しめる間取りと機能が備わっている

サーフィンや釣り、海辺の散歩など海のアクティビティが好きな人にとって、カリフォルニアスタイルの家は理想の住まいです。

玄関近くにサーフボード用の収納スペースや屋外シャワーを設けるなど、趣味に合わせた間取りが実現しやすく、暮らしそのものを楽しむ工夫が詰まった家づくりが可能です。

3_大開口の設計で室内が明るく開放的

カリフォルニアスタイルの家は、高い天井・大きな窓・吹き抜けなど、空間の「抜け感」や「光の入り方」にこだわった設計が特徴です。日差しをたっぷり取り込むリビングは、家族が自然と集まりやすい、心地よい空間になります。

また、建物を道路から奥に下げて、前庭を広く取る配置計画もよく見られます。これにより室内からの視界が開け、外とのつながりを感じやすくなるため、より一層の開放感が生まれます。

4_毎日がちょっと非日常に感じられる

カリフォルニアスタイルの家は、住む人の気分を上げてくれるデザインでもあります。明るく開放的な空間は、まるで海外のビーチハウスで暮らしているかのような気分に。

5_カバードポーチを活かして毎日の暮らしに楽しさをプラス

カリフォルニアスタイルの家では、屋根付きのカバードポーチやウッドデッキなど、室内と外をつなぐアウトドアリビングが暮らしに溶け込んでいます。

屋内と屋外の境界がゆるやかにつながることで、暮らしにゆとりと開放感をもたらしてくれるのが魅力です。

また、カバードポーチの分屋根が大きくなるので、夏の強い日差しを遮って室内の温度上昇を抑える効果も期待できます。

6_屋根の面積が広く太陽光パネルを載せやすい

大きな屋根を採用することが多いカリフォルニアスタイルの家は、太陽光発電との相性も良好です。パネルをたっぷり載せることができれば、光熱費の削減や環境負荷の軽減にも貢献できます。

外観のデザインと機能性を両立できる点も、実は大きなメリットです。

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カリフォルニアスタイルの家で後悔しないための6つの対策

カリフォルニアスタイルの家には魅力が多い一方で、「建てたあとに後悔した」という声も現実にあります。しかし、それらの多くは設計や素材選び、会社選定などを丁寧に行えば防げるものでもあります。

ここでは、後悔を回避し、満足度の高い家づくりを実現するための具体的な対策を紹介します。

対策1_プライバシー対策を設計段階から検討する

開放感を重視するデザインでも、プライバシーが確保できなければストレスに変わる可能性があります。

外構を完全にオープンにするのではなく、目隠しの植栽やフェンス、袖壁（目隠し壁）などを効果的に配置しましょう。

また、窓の位置や高さを工夫するだけでも、視線の抜け感と防犯性のバランスが取れます。

対策2_断熱・気密性能を十分に確保する

デザイン重視で建てた結果、「夏は暑い」「冬は寒い」では台無しです。特に大きな窓を多用するカリフォルニアスタイルの家では、窓の断熱性能が快適性を左右する大きなポイントになります。

窓は、住宅の中でも最も熱が出入りしやすい部分です。断熱性の低い窓を使ってしまうと、いくら壁や天井に高性能な断熱材を使っても、室内の温度が外気に左右されやすくなってしまいます。

また、地域の気候に合った断熱材や換気システムを選ぶことも重要です。たとえば寒冷地であれば、壁だけでなく基礎や屋根の断熱もしっかりと対策する必要があります。

さらに、断熱等性能等級6以上やHEAT20のG2基準といった高性能住宅仕様を視野に入れると、長期的な快適性と光熱費の削減を両立しやすくなります。

対策3_カバードポーチの設置目的を明確にする

おしゃれなカバードポーチも、設置する目的を明確にしておくことが大切です。

例えば以下のように目的を決めると、必要な広さや設計の方向性が自然と定まります。

• 洗濯物を干す場所として使いたい
• 子どもが雨の日に遊べるスペースにしたい
• テーブルとイスを置いて屋外カフェのように使いたい

対策4_素材は「おしゃれ」だけでなく「メンテのしやすさ」で選ぶ

白い外壁や天然木のデザインは美しいですが、汚れや劣化が目立ちやすい素材でもあります。選ぶ際は、デザイン性だけでなく以下のような観点もチェックしておきましょう。

• 防汚・防カビ加工の有無
• 木部の耐久性（防腐処理・塗装周期）
• 外壁材の張り替えやすさ、耐用年数

最初の「見た目」にこだわるだけでなく、10年後も維持しやすい家かどうかを考える視点が大切です。

対策5_周りの建物との調和を意識する

周囲の住宅との調和を考慮することも、後悔しないための重要なポイントです。

地域の景観条例などを確認し、奇抜になりすぎないように配慮しましょう。調和を取りつつ個性も出すなら、カラーリングや屋根形状に“抜け感”をもたせる方法がおすすめです。

たとえば、外壁を真っ白ではなくアイボリーやグレージュなど柔らかいトーンにすると、周囲の住宅と自然になじみやすくなります。

対策6_カリフォルニアスタイルの家づくりが得意な住宅会社を選ぶ

カリフォルニアスタイルの家づくりには、デザイン性・素材選び・空間設計など、通常の住宅とは異なるノウハウが必要です。見た目だけでなく、機能性・快適性も考えた提案ができる会社かどうかを重視しましょう。

1社に絞る前に、複数の会社で比較検討することが後悔防止の第一歩です。

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カリフォルニアスタイルをおしゃれに見せる7つのポイント

カリフォルニアスタイルの魅力を最大限に引き出すためには、ただ外観や間取りを真似するだけでは足りません。細部まで計算されたデザインや素材選びによって、全体の統一感とこなれ感が生まれます。

ここでは、おしゃれで長く愛せるカリフォルニアスタイルの家に仕上げるための具体的なポイントを紹介します。

外壁にはラップサイディングを使う

水平方向に重ねて貼るラップサイディングは、カリフォルニアスタイルの象徴的な外壁材の一つです。
この貼り方は、甲冑の大袖のような見た目になるため、「鎧張り」とも呼ばれます。

重ね貼りされた板は、光の当たり方によって表情が変わるのが特徴。一気に垢抜けた印象になるので人気が高いです。日本でラップサイディングを採用する時は、主に以下の3つの中から選びます。

• 木質サイディング
• 窯業サイディング
• 樹脂サイディング

カバードポーチやウッドデッキを設置する

屋根付きのテラスであるカバードポーチや、リビングから続くウッドデッキは、カリフォルニアスタイルの開放感を演出する上で欠かせない要素です。

ここがあるだけで外観の完成度が一段と高まり、暮らし方にも幅が生まれます。

リビングは開放感を演出する

天井を高くし、大きな窓や吹き抜けを設ければ、光と風が室内全体に行き渡ります。

視線が抜ける間取りや室内から庭まで一直線に見通せる設計は、カリフォルニアらしい心地よさを演出。さらに、建物を道路から奥に配置して前庭をつくることで、室内からの眺めが広がり、開放感がより際立ちます。

インテリアは青・白を基調にする

海や空を思わせるブルーと、明るく清潔感のあるホワイトをベースにすると、空間全体がカリフォルニアらしい爽やかな印象になります。

そこに木目調の家具やラタン素材、小物をプラスすれば、温もりとリラックス感が加わります。

色数を増やしすぎないことが、統一感を保つコツです。

自然光の入り方を意識する

大きな窓や天窓などを効果的に配置し、自然光を最大限に取り込めるように工夫しましょう。時間帯によって変化する光の陰影を楽しむことも、カリフォルニアスタイルの魅力の一つです。

ヘリンボーンの木材を使う

床材や壁の一部にヘリンボーン柄の木材を取り入れると、空間にアクセントが生まれ、ぐっとおしゃれな印象になります。

収納計画もデザインの一部に

生活感を抑えた空間を維持するためには、十分な収納が欠かせません。

ウォークインクローゼットや壁面収納を計画的に配置し、見せる部分と隠す部分を明確にすることで、おしゃれさと実用性を両立できます。

まとめ｜カリフォルニアスタイルの家で後悔しないために

カリフォルニアスタイルの家は、開放的でおしゃれなデザインと、屋内外をつなぐ暮らし方が大きな魅力です。一方で、気候への適合やメンテナンス、活用方法などを誤るとせっかくの理想が後悔に変わることもあります。

家づくりは下調べをせずに進めると完成後に「え？もっと良い会社あったじゃん！調べておけばよかった〜！」と後悔する人が続出します。

そのため、まずやるべきは

建てたいエリアに、「どんな住宅会社があるのか？」を知るところから始めるのがオススメ

とはいえ、一つずつ調べていくのも大変なので、最近は、一度にカタログが取り寄せできる「一括資料請求サイト」が人気です。

しかし、一括資料請求サイトということもあり、サイト選びを間違えると、カタログが届かなかったり、強引な営業を受けることにもなります。

良質な資料請求サイトを利用して、まずは興味がある会社をピックアップしましょう。

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