「実際に1000万円の家を建てて後悔した人の声を知りたい」
「1000万円の家を選んでいいのか心配」
低価格で家を建てられるのが魅力ということで、1000万円の家を検討している人も多いのではないでしょうか。1000万円で家を建てられたら、住宅ローンが抑えられて毎月の生活にも余裕が生まれますよね。
結論、家の性能よりも「住むこと」を目的とした人には1000万円の家は向いています。
一方、1000万円の家を建てたことで、生活しにくいと後悔している人もいます。
もし、1000万円の家についてよく理解をしないで家を建ててしまうと、「思っていたのと違う」と後悔してしまうかも…
この記事では、建築士で元ハウスメーカー社員の筆者ぽりんきが、1000万円の家で後悔した7つの理由と、これから1000万円の家を建てる人が後悔しないための8つの対策について解説をしていきます。さらに、記事の後半では1000万円の家に向いている人の特徴についても紹介していますので、気になる人は最後まで記事を読み進めてください。
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1000万の家で後悔した7つの理由
①内装が安っぽくて後悔している
内装にこだわらなかった結果、安っぽく見えて後悔しています。
1000万円の家では、選べる資材も比較的安価なものが多いため、こだわらないと内装が安っぽく見えてしまいます。
金額を優先した結果、住宅に対する満足度が下がってしまい後悔しています。
具体的には、以下の仕様が採用されることで、内装が安っぽく見えてしまいました。
- 安っぽい質感の壁紙(ビニールクロス)
- シート系床材
- ダサいデザインの室内ドア
- 目立つ巾木
- 太い見切り材
②設備のグレードが低くて生活しにくい
標準グレードの設備を採用したところ、使い勝手が悪く後悔しています。
1000万円の家では、基本的にグレードの低い設備を標準で採用しています。
充実した設備は快適な生活に欠かせないですよね。ですが、性能の低い設備を採用してしまうと、日々の家事効率に大きく影響します。
例えばキッチン。毎日使うキッチンのグレードが低いため、使い勝手が悪く後悔しています。
他にも、グレードが低くて後悔している設備がこちら。
- 既製品の洗面台
- キッチンの浅型食洗機
- 低容量・低水圧のエコキュート
- タンク式トイレ
③断熱性能が低く、夏暑くて冬寒い
1000万円の家は断熱性能は高くありません。断熱材の厚みは一般的で、窓はアルミ樹脂複合サッシを採用しているハウスメーカーがほとんどです。
家の断熱性能が低いと外気の影響を受けやすいため、夏は暑く、冬は寒い家になってしまいます。さらに、断熱性の低い住宅では冷暖房の効率が悪いため、光熱費も高くなります。
予算を抑えたくて1000万円の家を建てたが、毎月の光熱費が高くて後悔しています。
④劣化が早く、メンテナンス費用がかかった
家を長持ちさせるためには、外観である屋根や外壁の性能が重要です。
1000万円の家では安価な材料が使われることが多く、思っていたよりもメンテナンスの費用がかかってしまい後悔しています。
具体的には、以下の材料に安価なものが使われている傾向にあります。
- 屋根の下地(ルーフィング)
- 耐久性が低い外壁材
- 耐用年数の短い外壁の目地(シーリング)
⑤外観が建売みたいで注文住宅らしさがない
外観に建売感がでていて後悔しています。
価格を抑えた家づくりでは、よく見かける外壁や箱型のデザインになるため、建売住宅のような見た目になりやすいです。
せっかくの注文住宅なのに、建売住宅に見られたくないですよね。
少しでも建売感をなくしたければ、「玄関ドアで個性を出す」「箱型のデザインを避ける」などの対策をしてみましょう。
⑥施工不良が見つかった
壁紙の剥がれや床材の浮きといった施工不良が見つかりました。
低価格の住宅を販売して会社を運営していくには、短い期間でより多くの住宅を販売する必要があります。そのため、職人が複数の現場を受け持つことも多く、施工の精度が落ちてしまう場合があります。
ミスを防ぐためにも、こまめに現場に足を運んで職人さんともコミュニケーションをとるようにしましょう。
⑦アフターサービスの対応が悪かった
住宅に不具合が見つかりアフターサービスに連絡をしたところ、対応が悪かったことがありました。
こういった事例はほんの一部の場合だと思いますが、アフターサービスについてもハウスメーカー選びの際には注意するといいですね。
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1000万円の家で後悔しない8つの対策
①実際の物件を見学する
1000万円の予算でどの程度の家が建つのか、イメージだけでなく必ず実物を確認することをおすすめします。
注文住宅で多いのが、「こんなはずじゃなかった」という後悔の声です。
実際の外観や内装を確認することで、完成後のイメージをしやすくなります。
忙しくても、なるべく時間をとって実物を確認しましょう。
②標準仕様や選べる設備を確認する
標準仕様や選べる設備について事前に確認しておきましょう。
1000万円の家では、内装や設備のグレードの選択肢に制限がある会社も多いです。
標準ではどんな設備なのか、オプションでどんな設備を選べるのか。設備や仕様はハウスメーカーによって異なるので、検討しているハウスメーカーが複数ある場合には、それぞれ比較すると良いでしょう。
③間取りの自由度を確認する
どの程度、間取りを自由に設計できるのかも確認しましょう。
あなたとあなたの家族が快適に生活をしていくためには、柔軟に間取りを設計できることは重要です。
あなただけの間取りをつくれることが注文住宅の醍醐味ですよね。
間取りは自由に設計できるのか、間取りに制限があるのか、なるべく早い段階で確認しておきましょう。
④オプションの追加費用について確認する
オプション費用はハウスメーカーによって異なります。そのため、オプションの追加費用についても早めに確認しておきましょう。
ローコスト住宅でも、追加するオプションによっては予算オーバーとなる場合があります。
複数のハウスメーカーを検討しているなら、オプションまで含めた金額で比較しましょう。
⑤アフターサポートについて確認する
1000万円の家だからこそ、アフターサポートは重要です。サポートの薄いハウスメーカーで家を建ててしまうと、想定以上のメンテナンス費用が必要となる恐れもあります。
具体的に、以下の点については確認しておきましょう。
- 点検は何年おきか
- 無料メンテナンスの期間
- 延長保証はあるのか
点検やメンテナンスを何年間保証してもらえるのか、完成後のことまで考えて家づくりをしましょう。
⑥20年後、30年後を見据えたトータルコストで考える
目先の費用だけでなく、将来的な費用まで考えて家づくりをしましょう。
予算を抑えて家を建てたからといって、将来的なコストが安くなるとは限りません。性能の低い家の場合、光熱費やメンテナンス費用が高くなることで、トータルコストが高くなる場合があります。
⑦ローコスト系のハウスメーカーを比較する
ハウスメーカー選びは、必ず複数の会社を比較検討しましょう。
同じ1000万円の家を建てられるハウスメーカーでも、間取りの提案や住宅の性能に違いがあります。あなたの家づくりとハウスメーカーとの相性もあるかもしれません。
複数のハウスメーカーを比較することで、性能も価格も納得のいく家づくりができます。
⑧セカンドオピニオンを活用する
提案された間取りや見積もり金額について心配な場合は、第三者機関である「住宅のセカンドオピニオン」を活用することもおすすめです。
絶対に失敗したくない家づくりだからこそ、セカンドオピニオンの利用も検討してみましょう。
1000万円の家を建てる4つのメリット
- 低収入の若い世代から家を建てられる
- 住宅ローンの支払いに余裕がで収きる
- こだわりたい設備に予算を充てられる
- 打ち合わせから完成までの期間が短い
低収入の若い世代から家を建てられる
1000万円の家なら、収入の低い若い世代でもマイホームを建てやすいですよね。
また、若いうちから住宅ローンを借りることで、完済時期も早くなります。そのため、老後に返済の不安がないことも安心につながりますよね。
住宅ローンの支払いに余裕ができる
住宅ローンの借入金額を抑えることで、毎月の支払いに余裕が生まれます。
注文住宅では、予算いっぱいに住宅ローンを借りてしまい、毎月返済に苦労している人も多いです。
こだわりたい設備に予算を充てられる
本体価格が安いことで、こだわりたい設備に予算を充てられます。
標準でグレードの低い仕様や設備を採用しているため、「ここだけはこだわりたい」という設備を選んで、好みの設備に予算を充てられるのはメリットですね。
例えば、細かいこだわりはないけれどキッチンだけは良いものを使いたい。という場合など、一部だけでもこだわりたい人にもおすすめです。
打ち合わせから完成までの期間が短い
打ち合わせから完成までの期間が短いことも、1000万円の家を建てるメリットの1つです。
低価格で住宅を提供するために、ある程度決められた選択肢の中から選んでもらう規格住宅を採用している会社も多いです。そのため、大手ハウスメーカーと比較して打ち合わせの回数が少なく、完成までの期間が短くなります。
「打ち合わせに時間をかけたくない」
「なるべく早く完成してほしい」
上記のような人には1000万円の家はおすすめです。
1000万円の家を建てる6つのデメリット
- 間取りの自由度が低い
- 設備のグレードが低い
- 施工品質が低い(夏暑く冬寒い)
- 光熱費が高くなる
- メンテナンスのサイクルが早い
間取りの自由度が低い
1000万円の家では、決められたパターンの間取りからセミオーダーで家づくりをする規格住宅として販売している会社も多いです。
間取りの自由度が低く、思い通りの間取りにならない可能性があります。
間取りの自由度を重視している人は、他のハウスメーカーも検討してみましょう。
設備のグレードが低い
標準仕様として、グレードの低い設備が導入されていることが多いので、必ず機能に問題がないか確認をしましょう。
どんな設備が入るのかについて確認しないと、使い勝手が生活に合わずに日々のストレスとなる恐れがあります。
住宅の設備や性能も、価格相応だと割り切ることも大切です。
施工品質が悪い場合がある
施工品質が悪い。施工ミスが多い傾向にあるので注意しましょう。
施工ミスを防ぐポイントとして、こまめに現場に足を運んで、職人さんと良好な関係を築くことも有効ですよ。
断熱気密性が低い(夏暑く冬寒い)
1000万円の家の断熱性能は決して高くありません。断熱材の厚さは普通。窓はほとんどの会社がアルミ樹脂複合サッシを採用しています。
家の断熱気密性が低いと、外気の影響を受けやすくなり夏暑く冬寒い家になる。
光熱費が高くなる
1000万円の家では、断熱機密性が低いことから光熱費が高くなりやすいです。
理由は、断熱気密性が低いことで外気の影響を受けやすく、室内の熱も外に逃げやすくなり、冷暖房の効率が悪くなるからです。
メンテナンスのサイクルが早い
安価な資材を使った住宅は、資材の劣化が早く、メンテナンスのサイクルが早まります。
屋根や外壁のメンテナンスには何十万もの費用がかかります。安価な資材の場合、およそ10年ごとにメンテナンスが必要な物も多いです。
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1000万円の家が向いている人
- 打ち合わせに時間を費やしたくない人
- 建売でもいいが、せっかくなら自分で決めたい人
- 建物よりも土地に予算をかけたい人
打ち合わせに時間を費やしたくない人
1000万円の家を建てる場合、打ち合わせの期間が比較的短い傾向にあります。
何度も打ち合わせに時間を使いたくない。あれこれ決めずに進めたい人には1000万円の家は向いています。
建売でもいいが、せっかくなら自分で決めたい人
1000万円の家は、建売住宅と性能や金額が近い住宅です。
そのため、住宅にあまりこだわりがなく、建売住宅でもいいと思っている人にも、1000万円の家は向いています。
1000万円の家では、選べる仕様に制限があるため、自由度はそれほど高くはありません。ですが、建売住宅よりも自分たちの希望を反映できるメリットがあります。
「建売住宅でもいい」と考えている人は1000万円の家に向いています。
建物よりも土地に予算をかけたい人
建物よりも土地を優先したい人にも、1000万円の家は向いています。建物にかかる費用を抑えることで、土地選びに多くの予算をかけられますよね。
家づくりは土地と建物合わせて100点を目指すのがいいと言われています。
建物の性能がそこそこでも、利便性の高い立地に家を建てたい人には1000万円の家は向いています。
まとめ:1000万円の家の特徴を理解して後悔のない注文住宅を建てよう
1000万円の家は若い世代から家を建てられる一方で、低価格による性能の低さから後悔している人もいます。
本記事で紹介した、1000万円の家で後悔した7つの理由はこちら。
- 内装が安っぽくて後悔している
- 設備のグレードが低くて生活しにくい
- 断熱性能が低く、夏暑くて冬寒い
- 劣化が早く、メンテナンス費用がかかった
- 外観が建売みたいで注文住宅らしさがない
- 施工不良が見つかった
- アフターサービスの対応が悪かった
後悔のない家づくりをするためには、1000万円の家の特徴についてしっかりと理解する必要があります。
- あまり打ち合わせに時間を費やしたくない人
- 建売でもいいが、せっかくなら自分で決めたい人
- 建物よりも土地に予算をかけたい人
上記に当てはまる人は、1000万円の家に向いているかもしれません。
価格だけでなく、住宅の性能やアフターサービスについて理解することで、あなたの希望に合った家づくりができるでしょう。